獣耳短編集 (ページ18)

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甘えた【素直になれないキミが好き】ページ18

赤side

今日珍しく翔太がデレに全振りな日らしい。

コンサートの衣装を考えたかったんだけど翔太の邪魔が入ってそれが可愛くて今はちょっとだけ意地悪中。

赤「こーら、仕事しなきゃだからどいて」

猫の姿で資料の上に寝転んで微動だにしない翔太。

どかそうとしてみても身体を捻ったり伸ばしたりで上手く言えないけどスライムみたいに掴めない。

赤「しょうがないなあ」

そう言うとやっと構ってもらえると思ったのか期待の眼差しを向けられたけどあえて気づかないフリをしてスマホを手に取ると今度はスマホと顔の間に綺麗に入り込んでくる。

赤「翔太見えないよ」

青「にゃー、にゃー」

抗議の鳴き声もあげられたことだし意地悪はこれくらいにしてデロデロに甘やかそうかな。

赤「ごめんごめん、おいで」

そう言うと俺の膝に乗って仰向けで背中をすりすりと擦り寄せてくる翔太。

それが可愛くてお腹を撫でてあげるとゴロゴロと喉を鳴らす。

赤「ふふ、気持ちい？」

青「にゃう…」

しばらくしてすりすりが落ち着いたと思ったら今度は俺の指を吸いながらふみふみしてくる。

それが可愛すぎて多分今の俺の顔はファンはおろかメンバーにすら見せられないくらいには大変なことになっている気がする。

吸われているのとは逆の手で音の鳴らないアプリのカメラでバレないように動画を撮る。

こんな可愛い翔太を撮らないなんていう選択肢があるわけない。

次第に俺の指を吸いながらうとうとし始めた翔太。

赤「眠いなら寝てもいいよ」

そう言うと翔太はそのまま大人しく眠りについた。

赤「ふふ、寝顔も可愛い」

くわえられている指を起こさないようにそっと抜くと今度は俺の手を離さないというように抱きしめてきた。

赤「もうほんと反則だってっ…」

猫の姿じゃなかったらきっと今頃抱き潰してただろうな。

結局翔太の目が覚めるままこの体勢で痺れてるのに寝起きの翔太がまたふみふみして悲鳴をあげることになるのをこの時の俺はまだ知らない。

Fin.