最低な男 ページ8
【桜井Aside】
*
____あれからしばらく経ち、だいぶ痛みも緩和されてきたある日、日用品でも買いにと外に出ていた。
…一人で、ということで、私服とは言えど、男として袴を着て刀も差して出かけた。
(一人で外出するの、久々かも)
食事も出るし洗濯やらなんやらも屯所で済ませられるため、そこまで外出することが無かった。
…まあ、"お給料"なんかもいただけたし、自分に必要なものでも買おうと出てきたのである。
_____と。
「…や、助けて!!やめて!!!」
「っるせぇな、黙ってろ」
…なんていう声が小径から聞こえてくる。…息を潜めて覗いてみれば、そこには複数の男と私と同じくらいの少女がいた。
………なんということでしょう、さらに、先日私が囮のときに遭ったのと同じ状況になっていたのだ。
複数人で少女を押さえつけ、一人の男は思いっきり少女の顔を押さえつけている。
(…こんな、真昼間から、)
思わず顔をしかめる。…こういう女をなめ腐った男は本当に腹が立つ。
…今は刀を持っている。刀に親指を掛け、カチャ、と少しばかり銀色を見せる。
(…覚悟してな)
私は刀を抜きながら一気に男どもに向かって走り出した。
「うぉ!?なんだこいつ!!」
驚く男どもめがけて刀を振る。男どもがひるんでいる隙に少女を引っ張り私に後ろにやった。…少女の顔はひどく怯えていた。
「なんだてめェ!!」
『…あなた方こそなんですか。女の子に向かって複数人で襲うなんて最低ですね。』
「お前みたいなひ弱でチビな男に何ができる!!」
『……へぇ、言いましたね。そのひ弱でチビな男にあなた方が勝てるといいですけど。』
…私は刀を振りかざし、一気に男どもを倒した。…すべて峰打ちにしたのを褒めてほしい。
(…女にも負けるようなヤツが、よく大口叩けたものだな…)
白目向いて転がる男どもを尻目に、私は刀をしまいつつ少女のもとへ駆け寄った。…少女の手は震えていた。
『大丈夫ですか?』
少女の目の前にしゃがみ、目線を合わせて言う。…きっと怖かったことだろう。
「…あ、あの、ありがとうございます。わ、わたし…私…っ」
『もう大丈夫ですよ。安心してくださいね。』
少女の背中をさすってやると、やっと安心してくれたようだ。
___それにしても。
(世の中には、最低な男がたくさんいるんだな…)
どれだけ真選組は恵まれているんだろうと改めて思った。
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やまなな(プロフ) - あずきぱふぇ@狂愛さん» ありがとうございます!もう更新しなくなって3年とか経ってしまっていたので、返すかどうか悩んだのですが…せっかくいただいてとても嬉しいので返させていただきました!鬼気まぐれ更新ですが、いつかなんとか完結させたいなあと思いますので何卒…! (2023年3月19日 20時) (レス) id: 57d00f58c5 (このIDを非表示/違反報告)
あずきぱふぇ@狂愛(プロフ) - ぎゃあああああ!!!終兄さぁぁぁぁぁん!!!更新楽しみにしてます! (2021年3月24日 14時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 岡Pさん» ご覧いただきありがとうございます!!とても嬉しいです!応えられるよう更新頑張ってまいります! (2021年3月8日 17時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - 素敵なお話しですね。この先どうなるのか楽しみです。更新心待ちにしています。頑張って下さいね。 (2021年3月8日 1時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - くるみさん» わわわ、今でもご覧いただき、嬉しい限りです!!ありがとうございます!頑張ります!! (2021年3月5日 0時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2020年3月27日 17時