検索窓
今日:1 hit、昨日:19 hit、合計:16,867 hit

もう一度 ページ7

【総悟side】




"_____Aが、見回りに行ったきり戻ってこない。"




…それは、危うく己の冷静さを失わせかけた。

曰く、連絡も無いというのだ。


(…クソ、)


ここ最近、Aさんが例の一件で神経を削りながら対応していたのは知っていた。


…そのせいで、疲労と睡魔からふらふらしていたことも。


…座り込んでしまったAさんを抱き上げれば、気恥ずかしさからか少し赤くなったのも、諦めて礼を言うのも、___とろんと眠そうにする顔も。…全部、どうしようもないほど愛おしい。



"…そう、ご、"


アンタが自分の名を呼ぶだけで、胸が高鳴る。


"……す、"


…眠りに落ちる前に言いかけたその言葉は…、なんだったのか。…俺の都合のよい解釈をしてしまえば、アンタは…、




__…いや、そんなことはどうだっていい。



Aさんが誰を想っていようが、それを言い訳にするのはもう辞めてやる。


(…俺が、一番にアンタを守る)



守って、アンタの一番近くで支える人になってやる。

この件が落ち着いたら、絶対に言ってやる。



(…もう誰も、…アンタだけは死なせねェ)



…あの柔らかい笑顔を、照れくさそうに少し頬を赤くして笑うのを、いつも包み込んでくれるその温かなAさんを、もう一度見たい。…会いたい。




Aさんが強いだけの人じゃないのはもうわかっている。…あの人も弱音を吐き、倒れてしまうことだってある。



(……無事でいてくれ)



__愛する人のまだ息があることを、無事でいることを、願わずにはいられなかった。




「____これ、」


…と、1人の隊士が声を上げる。


「西野さんの警察手帳が!」


「…!!」



現在、Aさんの見回り担当区域を捜索中であった。

手掛かりを見つけるのにも苦労していたが、一筋の光が見えた。


「…こりゃ、Aさんがわざと置いていったんじゃねェか?」


すぐに発見した隊士が本部に構える土方さんに連絡を入れ、事態が動き出す。



…Aさんはおそらく、極限の状態の中、なんとかして事態を伝えようと警察手帳を置いてあったのではないか。


……つまりは自分はどこかへと拘束され、連行されたのだと伝えるために。




想定していた通りであった。…おそらく、例の組織に囚われたのであろうと。




…以前、奴らの懐に入れられたものを思い出す。


(…クソ、)



早く行かないと……いや、おそらくもしかしたら、もう…

失いたくない→←幸せだったかな



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やまなな | 作成日時:2023年3月30日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。