【銀魂】アンタの落とし方2巻【沖田総悟】 (ページ25)

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番外編④ 好いた人と触れるということページ25

『…ふぅ、』

帰宅しひとつ、大きなため息を吐く。

＿＿…というのも、今日接待した相手は、少々距離が近い方で。

お偉いさんということもあり、無駄な粗相は起こしたくないもので、やんわりと避けてはいたのだが。

馴れ馴れしくも触れられた肩だとか腕だとかが、今も生温かい感触が残る。

(土方さんには謝られたな…)

総悟と思いが通じ合って以来…さすがに土方さんに隠しておくことなどできるはずもなく、すでに承知の上だったとは思うが、一応の報告は入れてあり。

…今日のような接待だとかは、唯一の女であり真選組の中でも責任のある立場…ということもあって普通に対応してきた。

中には今日の彼のように距離が近い人もいる。…だが、以前とは事情も変わって、土方さんにはかなり気を遣わせてしまっている。

＿＿＿…正直、自分の個人的な事情で仕事に支障をきたすようなことはしたくない。…もちろんそれは私の意思で。

…だが問題なのは、おそらく総悟には嫌な思いをさせてしまうのだろうということであり。

仕事で迷惑はかけたくない。でも相手がいる身としては、仕事とはいえこんなことをしていいものか…と、最近の悩み所であった。

土方さんもかなりその手の仕事は回さないよう気を遣ってくれているのだが、やはり女がいるのであればと先方からの要求があれば断るわけにもいかないだろう。

…だが、驚くべきは、仕事だというのにも関わらず、自分がここまで触れられることへの嫌悪感を示したということだ。

以前であれば仕事だと割り切っていた訳だが。

…良くも悪くも、総悟のおかげだろう。

好いた相手が触れてくれる幸せに気づいてしまったのだ。
それはどうしようもなく幸せで、温かくて、安心して…

一方で、仕事で対応するためのそれはもちろん好いた相手ではなく、自分というより自分の"体"に向けられるその視線は、気持ちのいいものではない。

(…合わせる顔、無いな)

…なんだか今は、総悟の顔を見たら辛くなってしまいそうだった。

自分以外の人に触れられるということを、彼はどう思うだろうか。

とにかくお風呂に入って、その少々不快なその感触もろとも洗い流してしまおうと、部屋へ準備に向かうのであった。