【銀魂】仲良くなりたい人【斉藤終】

あなたは、私の部下だZ ページ41

【斉藤隊長side】





「＿＿＿＿…チッ、無駄にでけェところ拠点にしやがって」



…副長がイラつきを隠せずにいた。……というのも、Aさんの囮のおかげで攘夷浪士の拠点が割れたものの、建物が予想以上に大きく苦戦していたのだZ


私たちは正面には見張りがおり、手薄になっている場所からの侵入を試みてやっとの思いで屋内に侵入していたところだったZ



(……Aさん、大丈夫だろうか。)


ここに着くまではAさんの安否を確認できていた。……しかし、Aさんが建物に入ってからはわからない。



(……車に乗せられる前なんて、あんなことされていたのに)


あんなこと＿＿＿"接吻"なんてものを、Aさんはされてしまっていたのだ。……その時点では何もすることもできず、もどかしかった。…当の本人は、冷静に"仕事"として対処できているというのに。



＿＿＿＿私は、ひどく動揺してしまった。



…自分の大切な部下、仲良くなれそうな人……、守りたい人。そんな人が、目の前で危険にさらされているのだ。……仕事だというのに、これは作戦だというのに、胸の辺りがざわついて、今すぐにでも助けに行きたい衝動に駆られる。


………いつのまにやら手を握りしめていたらしく、痛かった。




＿＿＿＿＿と。




『＿＿こちら三番隊桜井。現在3階の一室にいます。先ほどまで………』



…ふいに、Aさんからの無線がつながった。



(良かった、無事で……)




＿＿＿なんて、安心したのも束の間、





『＿＿＿…私が確認できたのは十数人ですが、』


「なにコソコソ喋ってやがる」



Aさんの声が途切れ、後ろの方で男の声が聞こえたのを最後に、ブチっと切れてしまったのだZ



(＿＿＿…！？Aさん！！)



…嫌な予感ばかり頭に思い浮かぶ。



”…A？大丈夫か！？”なんて隣では局長が叫んでいる。




………もうじっとしているのなんて嫌だ。せっかく仲良くなれそうな人が、今度は誰かに殺されてしまうかもしれないなんて…




＿＿＿＿と。


「………終、」



副長が私の肩に手を置き、言った。


「……Aの無線からして、近くには敵一人。………お前にAは任せる。俺らは他の連中を叩きに行く。……いいか、アイツはお前の部下だ。




＿＿＿＿＿＿＿…絶対、助けてこい」




副長の言葉聞いた瞬間、私は走り出した。




(…3階の、一室)



Aさんの情報を頼りに、探しにいく。



(＿＿＿どうか、無事でいて)

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