【銀魂】仲良くなりたい人【斉藤終】

目的は ページ38

【桜井Aside】




＊


＿＿＿車に乗せられてる間に、腕を縛られた。



抵抗すると、思いっきり殴られた。




…口の中で鉄の味がにじみ始め、顔をしかめていると。



「オラ、降りんぞ」


乱暴に車から降ろされる。……そこには、周りに賑わうようなものもないような場所にある、旅館……のような建物があった。…見たところ、もう使われてはいないのだろうか。


…私はそのまま建物へ連れ込まれた。



(真選組は、追ってこれただろうか)



………もし追ってこれていたとすれば、私の仕事は達成されたということになる。



…が、敵の規模やらがまだ掴めずにいる。



(……隙を見て、連絡したいところだけれど)



ばれてしまわないように連絡するのは難しそうで。



(……とりあえず、少しでも情報収集をしよう)



私はある一室に放りこまれた。……ここにたどり着くまでに確認できたのは十数人、もしかしたらどこかでもっとたくさんの人が集まる場所もあるかもしれない。



入口に見張りを設置し、廃旅館が拠点……いかにも怪しい組織のようである。


現在、部屋には私と男の2人だけである。



『………な、にが、目的ですか。』

「目的、ねェ…」


男はニヤリとし。


「……そんなに怯えなくても、殺しはしねェさ。……が、一般市民を人質にでもすりゃ、真選組なんざ好きに動かせるかもしんねェな」


(………なるほど。)


「……まあ、それに使うまでは、楽しませてもらうがな」




…男は笑いつつ、部屋からでていった。



………何らかの目的があり、それを実行するため真選組の動きに障壁をつくろう、といったところか。



まさか真選組の一員だとは思わなかったのか、あっさりと目的を教えてくれるとは。




私は無線をつけて、声を潜めつつ言った。



『＿＿こちら三番隊桜井。現在3階の一室にいます。先ほどまで男が一人いましたが今は出ていきました。ただいつ戻ってくるかは分かりません。奴らの目的は一般市民を人質にし、なんらかの目的のために真選組を好きに使うことだそうです。間違いなく、攘夷浪士の一派でしょう。私が確認できたのは十数人ですが、』



……ここまで言った、その時。



「なにコソコソ喋ってやがる」


…ヤツが、戻ってきてしまった。


”…A？大丈夫か！？”なんて声が聞こえたが、無線はぶちっと切った。



「勝手なことしてんじゃねェ」




＿＿＿＿＿男は、私に向かって刃物を振りかざした。

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