隊長は何を考えているのか。 ページ28
【桜井Aside】
*
___女であることをカミングアウトして数日。
私は朝食のために食堂にいた。
『お隣良いですか?』
「ああ。」
「珍しいな、斉藤隊長と一緒じゃないの」
『今日はいつもより早く起きたので。いつもは廊下で一緒になるんですよね〜。』
「へぇ、てっきり時間決めて一緒に来てるもんかと…」
『あはは、違いますよ!』
…あの後も、隊士の方々は変わらず接してくれる。…有難いことだ。
「にしても斉藤隊長と仲良いよな。」
『なんかいろんな人に言われるんですが、そんなにですか?』
「いやだっていつも一緒にいるし。」
『…まあ、嬉しいですけどね。そう思われてるのは。』
…少々、顔がニヤけてしまった。
「…でも、斉藤隊長喋らないのに、どうしてんだ?」
『頷いてくれたりとか、いろいろ反応は示してくれるし…。普通に楽しいですよ。』
「へぇ。…なんか、お前只者じゃないような気がするわ。」
「なんか、変わってるよな。」
『えええ、何ですかそれ、貶してます?』
「貶してねぇ貶してねぇ」
「むしろ褒めてんだよ」
貶されてるようにしか聞こえないんですけど、なんて返すと爆笑された。
…なんだか、あまりにも楽しそうに笑うので、つられて笑っていると。
__トントン、と、誰かに肩をたたかれた。…振り返ると。
『…あ、隊長!!』
噂をすれば、というやつである。
「おはようございます。」
隊長は、挨拶をした隊士たちを見たのち、私の隣の席を指さした。
『そこに座りますか?大丈夫ですよ。』
「すげぇ、斉藤隊長と意思疎通ができてる。」
なんて感心したような声が聞こえてきた。…思わず、ドヤ顔を決めてしまうところだった。
『…あ、でも俺の前の席空いてますよ?』
…言うと、頷かずに、微妙な顔をされた。
「前に座るより隣に座るタイプなんじゃないか?」
『…そうなんですかね?』
(…うーん、これはわからないな、)
考えこんでいると。
「桜井、そろそろ俺らいくわ。」
「斉藤隊長、先に失礼します。」
…先ほどの隊士たちはいなくなった。
…と思うと、隊長は、先ほどまで座ろうとしていた隣の席ではなく、私の前の席に座った。
(…??)
だいぶ意思疎通ができるようになったつもりでいたが、最近、このように私にはまだ理解できないようなことをすることがあるのだ。
(理由、知りたい)
__朝食を食べ始めた隊長を見ながら、そう思った。
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やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました!私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです! (2021年3月4日 12時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです! (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…!!こちらこそ、本当に有難いです!!応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!ご覧いただき、ありがとうございます! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです!!凄く好きな作品なので応援しております!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2019年1月5日 23時