【銀魂】仲良くなりたい人【斉藤終】

作戦 ページ27

【桜井Aside】


＊



「＿＿では会議を始める。」


土方さんの声が、少し広めの屯所の一室に響いた。

私は隊長とともに会議に出席していた。



そこには、局長、副長、さらには各隊の隊長格の人たちが集まっていた。

…というのも。


「俺らが追っている攘夷浪士の組織の粛清についてだ。


…まず、ある程度目星は着いちゃいるが、拠点を掴まなきゃならねェ。…そこでだ。

そいつらは、女を襲うだのさらうだの最近は平気でやっているらしい。それを逆手にとって、Aに囮をやってもらう。」



その言葉に、どよめきがおこった。…まあ、何も知らない人からすれば、私が女装して囮になるということになるのだ。仕方のないことだろう。





＿＿＿と、




「そして…これから言うことは、極秘の情報だ。」


副長の言葉に、皆一気に真剣な目に変わった。…息を飲んで続ける言葉を待っていると。






「＿＿＿Aは、女だ。」




…。


「はあああああ！？」



なんて声が上がって、どよめいた。いや、驚くのも無理のない話なのだけれど。


(こんなに早くバラすとは、思わなかった)




「……オイ、騒ぐな。


…本当は隠すつもりだったが、言ったほうが勝手が良い。いいか、真選組の隊士以外にこれを漏らすな。…もしんなことやったら切腹だ。」



未だに驚きを隠せない隊士たちは、信じられないといった様子で私を凝視している。


…と、副長に、目配せをされた。…つまりは、私に発言を要求しているのだろうか。



私は立ち上がり、口を開いた。…声を、女に戻して。



『…副長がおっしゃった通り、私は女です。まず、皆さんに嘘をついていたこと、すみませんでした。』



私の声を聞き、信じた人も多いようだ。



『…ですが、このことが外部に漏れなければ、また囮などに女という武器が使えるかと思います。真選組の役に立ちたくて、この作戦を引き受けました。…どうか、私からも、皆さんが他言しないことをお願いします。』



頭を下げ、そのあともう一度前を向いた。



『…あと、私もボロがでないように、普段から皆さんに男として接しますので、ご理解をお願いします。』


「＿＿そういうことだ。いくらAの腕がたつとはいえ、囮の間はいつもの刀を使えねェ。他のやつらで、拠点が割れ次第粛清とAの安全の確保を行う。



…この作戦は二週間後を予定している。各自稽古は怠らないように。」





皆、気を引き締め、副長の言葉に頷いた。

隊長は何を考えているのか。→←うれしいこと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す