真選組鬼の副長 ページ3
【no side】
*
長く続き、互いに体力の消耗がひどくなってきたとき、局長、もとい近藤勲によって、引き分けという結果に終わった。
今はというと、とある一室に、近藤勲、副長の土方十四郎、一番隊隊長の沖田総悟、斉藤終、そして、先ほどまで斉藤終と互角の討ち合いをしていた、その者が集まっていた。
土方十四郎とその者が向き合うように座った。
「…名前は。」
『桜井Aと申します。』
「お前ェのその実力は認めるが、それはどこで身に着けた?」
『幼い頃より、武道に学業にと励んでまいりましたので。』
「ほォ」
鋭い目線に若干怯える桜井Aだが、しっかりとした受け答えを続けていた。
「…なあトシ、やっぱり考えすぎじゃないか?」
この今日ののんびり日向ぼっこでもしたくなるような晴れた暖かな天気とは真逆な、ピンと張りつめた空気に耐え切れなくなった近藤は言った。
「…いや。」
土方が立ち上がり、桜井へ近づいたかと思えば。
『…!?』
来ていた服の胸倉を掴み、自身のほうへと引っ張った。
『な、なにを…?』
戸惑う桜井を、これもまた鋭い目つきで見た。
「お前ェ、小柄で、腕も首も細ェのに、随分胸元だけ、不自然に盛り上がってるように見えるが?」
先ほどの討ち合いで少し乱れたその服の中に見えた"それ"を土方は見逃してはいなかった。
「その胸囲に巻いた包帯はどうした。怪我でもしているのか?」
周りの、息を飲む音がした。
「お前ェ、女だろ。」
抵抗する桜井の手をものともせず、胸に巻かれた包帯を緩めた。
…そこには、女の"それ"と思われるくらいのふくらみがあった。
『あ、の…、』
一気に血の気の引いた顔になった桜井から、もう声になっているのかどうかもわからないような小さな声が漏れた。
「それに、持っていた荷物の中に、刀があると見た。どうしてこんなご時世に、刀を持った女がいる?そして何故そんな女が真選組に入ろうとしている?
…どうにも、臭すぎる。潜入捜査か何かか。」
…部屋の空気は、また一段と、張りつめたものとなった。
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やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました!私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです! (2021年3月4日 12時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです! (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…!!こちらこそ、本当に有難いです!!応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!ご覧いただき、ありがとうございます! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです!!凄く好きな作品なので応援しております!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2019年1月5日 23時