楽しそうに見えたのだ ページ19
【副長side】
「…なんだか騒がしいなあ。どうかしたか?」
先ほどの一連のバカ騒ぎが静まり、桜井と終が部屋に戻った後、近藤さんが姿を現した。
「…いや、さっきまで万事屋がいた。」
「万事屋が?なんのためだ?」
「知らねェよ。」
何も状況がわからないまま奴らは帰っていったが、それよりも、驚いたことは。
「それより、どうやら桜井は終兄さんとうまくいってるそうでさァ。」
「そうなのか!それは良かったなァ!」
…そう、桜井は終とうまいこといっているようだった。
…最初こそ、腕の立つ女ということで疑いの目を向け続けていた訳だが。
「相変わらず終兄さんは喋らねェが、桜井が話しかけまくっているみたいでさァ。」
「精がでるなァ。それにもう真選組にも慣れ始めていねぇか?仕事も熱心にやってくれそうだしよぉ。」
「…まァ、違ェねェ。」
…確かに、仕事は何をしたら良いかとか、終と話すにはどうしたら良いかなど、はやく真選組において貢献するためしっかりやろうというのは目に見えてわかった。
(こりゃ、本当のただの良いやつか)
潜入捜査だと、溶け込むために良い奴というのを演じるのも多いだろう。
…しかし、別に無理に終と仲良くなる必要はないのだし。
第一、あの二人は何やら楽しんでいるように見えた。
…それに。
(潜入捜査なら、そもそも女なんつー目立つことはしねェか。)
考えすぎたか、と、思った。それと__
長年の付き合いのなかで、誰かと楽しくしているところなんて滅多に見なかった終が、わかりにくいが、少しでも楽しそうにしているというのは
__少し、嬉しさもあり。
完全に心を許したとまでは言えないにしても、これ以上疑い続ける、というのはやめようか、…そう、思ったのだ。
__と。
『先ほどから何を話してらっしゃるのですか!結構聞こえているのですが、私がどうかしましたか!!』
スパン、といきなり障子が開き、話題に上がっていたそいつが出てきた。
「おぉ、桜井!終とうまくいっているんだってなァ、良かったじゃねェか!」
『ありがとうございます!おかげ様で…。あと、皆さん、Aと呼んでくれませんか?先ほど万事屋の旦那が俺のことを"美少女"と呼んだかと思えば、次はいきなりAですよ!?
…あの人達だけに名前を呼ばれるの腹立つので…』
そう言い、純粋な笑顔を見せたそいつは。
_やはり、潜入捜査などとは程遠いやつなのか、と思った。
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やまなな(プロフ) - ゆるさん» 返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。御覧いただきありがとうございました!私も終兄さん好きなので、ご覧いただけて嬉しいです! (2021年3月4日 12時) (レス) id: 2a45d58c1c (このIDを非表示/違反報告)
ゆる - すごく面白いです!個人的にも終兄さん好きなので嬉しいです! (2020年5月8日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - 颯さん» まさか今も見てくださる方がいらっしゃるとは…!!こちらこそ、本当に有難いです!!応援ありがとうございます、励みになります。更新頑張ります!! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
やまなな(プロフ) - ピエロさん» 大変返信が遅れてしまい、申し訳ありません!!ご覧いただき、ありがとうございます! (2020年3月16日 14時) (レス) id: 2f769ce501 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - 久しぶりの更新有り難きです!!凄く好きな作品なので応援しております!頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 9993f1b014 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまなな | 作成日時:2019年1月5日 23時