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Unconscious ページ27

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「盗み聞きに加えて無理強いもするなんて褒められたものではありませんね」

「もー、人聞き悪いぞっ!聞き耳立てなくたって薄い扉一枚なんだから聞こえるよ。幻太郎だって僕が隣の部屋にいたのは分かってたでしょ?カーテンかけてなかったから透明な扉越しに姿見えてたよね?」

 何かヘンなところある?と飴村さんは可愛らしく疑問符を浮かべた。
 変ではない。寧ろ、反論できる隙がないほど筋が通っている。まるで全て計算されていたかのような───いや、何も変じゃない。変じゃないのだ。

 はぁ……と、夢野先生は諦めたかのように深いため息をこぼした。本日数度目のため息である。彼は変人だが苦労人気質でもあるようだ。
 類は友を何とやら、変人の周りには変人が集まるらしい───Fling Posseのリーダーは飴村さんなので、夢野先生の元に飴村さんが集まったというよりは飴村さんの元に夢野先生が集まったと言うべきなのかもしれないけど。

「……すみませんソラナミさん。小生がもっと強く乱数を止めるべきでした」

「いえ、別に構いません。飴村さんのおっしゃる通りだと思いますし」

「そーそ!それにさ、名前が分かったからって呼び方が変わるだけだよ?そんなに神経質にならなくてもいーじゃん!」

 飴をくるくると回す飴村さんが今度は夢野先生に歩み寄る。ニコリと笑いを浮かべて彼の顔をじっと見つめた。

「ソラナミっていう名前も、AAっていう名前もこの子の事を指す名詞だよ。幻太郎だってそうでしょ?夢野幻太郎、Phantom……どちらも嘘つきの文豪を指すただの名詞じゃん」

「───そうですね」

 その言葉を発するまで数秒とかからなかったのに、それは無限が凝縮されたかのような刹那ではないかと感じられるものだった。

 薄く笑う夢野先生は飴村さんを見て答え、飴村さんはニコニコ顔を崩さない。
 一見平穏そうな雰囲気だが、水面下では魚群が蠢いているような不安定さが漂っている。でも私はその不安定さに首を突っ込もうとは思わないし、その理由を特定したいとも思わなかった。
 ……なんでだろう。これ。

「では、帰りましょうか……Aさん」

「え?あぁ……はい」

 今までソラナミと呼ばれていた為、一瞬誰の事なのか分からなかった。少し出遅れて私は彼の後を追いかける。

「また来てねっ☆ 」

 ばいばいっ、と手を振る飴村さんに見送られて私たちは彼の事務所を後にした。

d:思惑→←Be snooped



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有栖 幻月@ポッセ同盟(プロフ) - こんにちは。更新停止は悲しいですが、今までの中で凄く謎があり、魅力的なストーリーをありがとうございます!もしまた夢小説を書ける機会があればその時は必ず読みます!ボードも読ませて頂いていました!勉強等、頑張って下さい!執筆が再開出来るのを待っています! (2021年1月18日 18時) (レス) id: d4dd6494ae (このIDを非表示/違反報告)
GH(プロフ) - 有栖 幻月@ポッセ同盟さん» 読んでくださっている方がいると分かって嬉しいです…!ありがとうございます〜! (2021年1月5日 13時) (レス) id: a35742dc57 (このIDを非表示/違反報告)
有栖 幻月@ポッセ同盟(プロフ) - 何時も楽しく読ませて貰っています。所々に謎があるストーリーがとても好きです。これからも頑張って下さい! (2021年1月5日 11時) (レス) id: d4dd6494ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:GH | 作成日時:2020年11月3日 10時

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