早慶カップルinQK 2

例の企画 ページ10

「あのぉ、これどういう状態ですか。」
「さあ、どういう状況に見える？」
「伊沢さんが目の前にいることしかわからないです。」
「つまり、そういうことです。」

どういうことですか、とはあえて聞かない。
だって、分かっちゃってるんだもん、次に何を言われるのか。でもね、察したくなかった。
純粋なままでいたかったなぁ…。なんてね、茶番はこの辺にしとこう。

「この次何言われるか分かる？」
「あははははは、わからないですね！！」
「じゃあ、言うね。沙也ちゃん動画でな」
「出ないですね、はい。」

即答。
いやぁ、まさかの予想通り過ぎて笑ってしまった。だって編集長直々のお呼び出しよ？間違いなく動画関連の事なのはわかってたけど。

前からずっと思っていたが正直視聴者さんの反応と、それから失敗してみんなに迷惑をかけないかが不安。こうして動画出演を事前にお願いされるのは初めてだから、余計にね。

「まあそういうと思った。なんなら理由もわかる。アンチでしょ？」
「…だって、怖いんですもん。伊沢さんだってわかってるんでしょう？」

そういってのぞき込むも、伊沢さん

「もちろん。俺だってこの決断結構迷った。沙也ちゃんのためにもできれば出させたくないし、今まで通りライターで存分に活躍していてほしいんだよ。」

そう言って小さく笑う伊沢さん。
流石は編集長だ、私の気持ちも、そこから起きている不安さえもすべて見抜いている。
でも、それでも言うってことは相当伊沢さんは私を動画に出したい理由があるんだろう。

「わかる、沙也ちゃんの気持ちはよくわかるんだけどさ、


そろそろ、あの企画から一年なんだよね…。」
「…はっ！」

“あの企画”。
それが何を指すのか私は一瞬で分かってしまった。

「なるほど…、それは確かに今現在出れる人が私しかいませんね…？」
「そうなんだよ、だからやる気ない？





【知の早慶戦】」

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ラッキーQuizKnock＆東大王メンバー

岡本沙紀さん

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