早慶カップルinQK 2

悩みと糖分 ページ11

「うーん……。」
「沙也ちゃん、本当によく悩むね…。」

今私の目の前には、(汗)という文字がよく似合いそうな顔をした山本くんが座っている。
もちろん、悩んでいる理由はあれ、【知の早慶戦】。

去年、山本君と対決していた三守さんは、今年4月時点ですでに慶應大学院を卒業。
つまり、現在QuizKnockで現役の慶應生は私のみとなったことになる。

「うぅぅぅー。」
「アハハッ、悩んでる沙也ちゃんってなんか面白いねぇ！」
「…他人事だね、山本君。」
「だって他人事だし。」
「ですねえええ！」

そういって机にべしゃり、と倒れる。あ、この机ひんやりしていて気持ちいいな。
すると、頭の上に柔らかい感触が。

「うわ、沙也ちゃん髪の毛柔らか。」
「1撫で300円ね〜。」
「え〜、高いなぁ。」

そう言いながらも、もう10撫でくらいしてくる山本君。この人私がお金を取らないのを分かっていやがる。

「えへへ、なでなで〜。」
「…。また子ども扱い。」
「えぇ〜、違うよ！沙也ちゃんの髪が好きなだけ！」

そう言いながらも、まだ頭の上には男の人らしい大きな手の温かさがあって。
こういうことするから、なんだかドキドキさせられてる。
こんな感情、持ってないはずなのに。

「あ！そうだ沙也ちゃん。せっかくだしさ、ちょっとカフェでもいってお茶しようよ！」
「カフェ？」
「うん、ほらちょうど3時前だし、おやつ的なのもかねて、ね！糖分とると、頭働くっていうし！僕、この辺でいいところ知ってるよ。」

なるほど。彼の言うことも一理ある。
先ほどから頭を使いすぎて、少し痛くなってきたくらいだ。甘いものでも食べて回復すべきだろう。

「そうだね、じゃあ行こうかな。」
「うん！そうと決まれば、さっそくいこっか！」

彼に手を引かれ、私はオフィスを背にすることになった。
軽く照り付ける太陽は、夏の終わりを告げているかのような輝きだった。

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ラッキーQuizKnock＆東大王メンバー

岡本沙紀さん

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