何方の方にわが恋ひやまむ ページ14
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『将企〜そろそろ離れてよ』
「むり」
『お風呂行ってきたら？』
「いや」
『お茶飲みたい』
「あかん」
明日の夜に会う予定やったけど、たった1日が待てんくらいAに会いたくなって、仕事を終えて急いで支度して「今から行く」とだけ電話して新幹線に飛び乗った。
『...将企くん、今日もがんばったね〜』
なんて赤ちゃんに話しかけるみたいな口調で、Aの胸元に埋めとる俺の頭を撫でる。
俺より年下なのにしっかりしとって、体温だけではないあたたかさ、ぬくもりが心地良い。
全身で好きを伝えたくなって、ギューっと強く強く抱きしめた。
『痛いよ〜』
顔を上げてAを見ると笑っとる。
「、、好き」
『私も好き』
「俺の方が好きの気持ち強いけどな」
『いや、私の方がこーーーんなに好きだもんね！』
俺から手が離れて嬉しそうに両手をいっぱいに広げる、その姿も好きを助長させる。
「何言っとるん？俺はこんなに好きやから」
俺は立ち上がって両手を広げて見せる。
何回好きだと言っても、全身で愛を表現しても、俺の気持ちはまだまだ伝え切れん。
目の前に立ち上がったAは『今だ！』と俺の元から離れてキッチンへ走る。
「あ！逃げたな！」
追いかけてコップを取り出すAの背中に抱きつく。
『わっ、危ないよ』
「そうやな」
『冷蔵庫開けれないよ？』
「そうやな」
『お茶、あ、ビールにする？』
「そうやな」
『じゃあ一回離れて？』
「そうやな」
『、、聞いてる？』
「そうやな」
『...ふふ、ね、いつまで続けるの？』
Aは怒らずに笑って、器用に俺の腕の中でくるっと向きを変え対面して楽しそうな表情でジーッと見てくる。ほんまに可愛い。
『ん、、』
何度か軽く唇を重ねるとAは俺に身体を委ねる。
『将企、起きて。ご飯出来たよ』
「んー」
起こしに来たAの腕を引っ張ってベッドに引き込む。
『もう少し寝る？』
「、、食べる」
『じゃあ行こ？』
「ちゃう、Aを」
Aへの愛は一緒におっても離れとっても溢れてとまらん。
離したくない、、ずっと俺のそばに
君に好きと言いたくて / Day of the legend
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コイノウタをお読みくださっている皆様、いつもありがとうございます。
今回はリリーさんがくっついて離れない話を作りたくて出来た話で(全話そうですが)今回は特に自己満でした。気に入って頂けたら幸いです。
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作者名：裕 | 作成日時：2022年3月12日 12時
