コイノウタ (ページ33)

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わが恋は虹にもまして美しきページ33

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「Aはほんまに変わらんよな」

『ゆずるはなんか、、ね、リリー』

「東京行った途端コレっすもんね」

「コレってなんやねん」

同期のゆずるが大阪に数日いるということで、出番終わり2人で飲みに行こうとした時。

「ゆず兄、Aさん、どっか行くんすか？」

『飲みに行くとこ』

「リリーも来るか？」

「行きます」

という経緯で、3人で飲んでる。

『ゆずる、ひとくち』

「ん」

いつも少し変わったお酒を飲んでるから一口貰って、ふと正面に座るリリーの顔を見たら難しい表情をしていた。

『リリー？』

「Aさんていつもゆず兄のお酒貰ってますよね？」

『うん。梅酒しか飲まんし、ゆずるの飲むお酒ってどんなんかなぁ？って』

「俺のはいいですか？」

目の前にリリーが飲んでいるロックのいも焼酎を差し出された。

『私いも焼酎は合わんから』

そう言って首を振るとシュン、とする。

かわいい。

リリーとは同い年だけどこんな男子地元におらんかった。

いつもAさんと声をかけてくれて、ちょっとした変化に気づいてくれるのが心の底から嬉しくて顔に出てないかいつも心配で…

最近はファンの子に対応している姿や、番組で一般の女の子やアナウンサーさん、タレントさんと絡んでいる姿を見てヤキモチを妬いてしまう

「この前モデルの子にモテとったな」

『私もびっくりやって』

「Aさん可愛いっすもん」

リリーはいつもさり気なく可愛いと褒めてくれる。

『リリー、何も出んよ？』

「本当ですもん」

いつもの飄々としたその表情からは、本音なのかも分からないけどその言葉のおかげで心が明るくなる。

「トイレ行ってきます」

リリーが個室を出ると隣に座るゆずるが

「いつまでも想っとるだけじゃあかんで」

と笑って言うけど、、

私にとってこの恋は、虹よりも綺麗で儚いから大切にしたい。

「ええ歳して純粋やもんな。ま、そこがAの可愛さで魅力でもあるねんけど」

『それ褒めとる？』

リリーが戻って来て、私もお手洗いに立つ。

鏡に映る私は、お酒でほんのり赤くなってる。

『想っとるだけじゃあかん、か』

でも、もう少し、この恋を楽しみたい。

振られても、もし付き合うことが出来ても

リリーを想い、恋するこの時間が

何よりも好きだから。

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