聞こえる男【JM】２

報告 ページ31

JM「聞こえなくなったよ」





翌週の休み

報告も兼ねてまた実家へ帰った。




「まぁ」

「そうか」





ふたりともすごく喜んでくれた。

そして、すごく興味があるようで、前のめりで聞いてきた。






「真実の愛を手に入れたのね」




JM「なんだよそれ」






「だって私達だって、ねぇ フフフ」




JM「いや いいわそういうの」





親のそんな話 聞きたくないだろ。






「完全に相手を信じることができたか」



JM「うん まぁ‥」



「そうかそうか。お前も大人になったか‥」




含みのある言い方するなよ。


気まずいって。






JM「ていうか、なんで教えてくれなかったの」



「なにを」



JM「どういう風になれば消えるってわかってたでしょ」



「多分とは思ってたけどな。お前も同じとは限らないだろ」



JM「可能性があるなら教えてほしかったよ」






何年も悩んできたんだよ。

苦しんで苦しんで

それこそ恋愛なんて完全に諦めてたのに。




「下手なこと言って、手当たり次第女性に手出しすると困るからな」



JM「そんなことしないし」




「能力を消すために女性と付き合うのはよくない。

　心から愛して、すべてを受け止めることが重要だ」


「そうよね、生涯この人とって思えなきゃ」





JM「まぁ結果的にはそういう人に出会えたからよかったよ」





父も母も二人で顔を見合わせてすごく嬉しそうだ。


とりあえず長いこと心配かけたぶん

安心してもらえたならよかったかな。



「今度は連れてきてよ」




名前は 歳は 仕事は 身長は



次から次へ質問攻めにあった。





家族構成は 一緒に住むのか

いつ挨拶にくるのか




JM「気が早いって」




大歓迎ムードなのはありがたいけどね。

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