はい お嬢様【JN】

夜中 ページ7

JN「起きてたんですか」




『あ ごめんなさい』





今日は目が冴えてしまって、どうにも眠れず部屋を出た。




夜中に広いリビングは落ち着かないけれど、一人の部屋もまあまぁ広くてさみしいのだ。




ソファに腰掛けて、ぼーっと映画をつけて見ていた。







JN「眠れませんか」



『うん。そのうち眠くなるから、気にしないで。
　ソクジンも寝てね。おやすみ』




JN「何か飲まれますか」



『気を遣わないで。勤務時間外よ。』



JN「私には勤務時間はありませんよ。」







確かに彼には勤務時間という明確なものはない。





用事があれば夜遅くまでいるし、何もなければ早く休む日もあるし。




うちにいるお手伝いさんは、日中の勤務。




運転手やシェフなどは、勤務時間が終わると帰宅して、翌朝出勤する。




その中で、唯一うちで寝泊まりすることがあるのは
執事だけ。





うちには万全のセキュリティ対策がかかっているため、夜でも心配はないのだけど。


何かと夜までかかるときや、早朝から予定があるときは、泊まっていく。



ゲストルームの一つが、彼の休憩所であり、宿泊所。






私はいつも、食事を終え、明日の予定などを確認すると、
じゃあ、今日はこれで、

と彼を休ませようと声をかける。







小さい頃は同じ部屋で過ごしたこともあったけれど、
今は私のプライベートな空間には彼が入ることはない。




こんなふうに夜遅くに彼に会うことはあまりない。








JN「どうぞ」




彼が入れてくれたのは、私がお気に入りのハーブティー。
安眠効果があるもの。





『ありがとう』






JN「ゆっくりリラックスしてください」





『今日は泊まりだったのね』




JN「はい。来月のパーティーの準備が始まったので」





『おつかれさま』






JN「寒くないですか。何かお持ちしましょうか」





『ソクジン』





JN「はい 何でしょう」





『ここへ来て』






JN「はい‥」






私の隣まで足を進めた彼の手をとった。







『となりに座って。』





JN「いや それは」




『いいから座って』




半ば強引に彼の手を引っ張り、ソファに座らせる。





『眠くなるまでここにいて』






JN「‥‥‥」





だってあなたといたいんだもん。

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