ミンさんの偽彼女【YG】

苦境 ページ33

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旅行が終わり、またいつもの日常が始まった。




夢みたいな楽しい時間だった。




ユンギとは、旅行中は本当の恋人みたいだった。



縮まったように感じた距離は、相変わらず。

だけど、週に一回会うのは変わらない。







　


その後しばらく私は、仕事が忙しかった。



責任のある仕事を任されて、必死だったのだ。



一人ひとりに誠実に向き合うことが、何よりも大事だと思って、自分にできる精一杯のことをしてきたつもりだった。


やっててよかった、って報われる時がくる。








そう思っていたのに、現実は残酷だった。









自分のやってきたことなんて、なんにもならなかった。








悔しくて悔しくて、でも周りには悟られまいと
普通のフリをするのに必死。





違う仕事をやりまくった。





そんな私に気づいていたのは、








JN「Aちゃん、今日も残るの？最近遅いでしょ」




『あ、はい。もう少しやりたいことあって』




JN「じゃあ俺も残る。何か食べ物買ってきてあげる。」




『いや、悪いですよ。大丈夫ですから。』




JN「いいからパンかおにぎりどっち派だっけ？
　 甘いものもつけるよ」





『……ありがとうございます』






JN「じゃあ、待っててね」







先輩はウインクして出ていった。




たくさんの食べ物をぶら下げて、颯爽と帰ってきたかと思うと、私の前でもぐもぐと食べ始めた。





JN「ほら、Aちゃんも食べて。ほらほら」





『ありがとうございます』





JN「最近食べてなかったでしょ。ダメだよ。身体大事にしなきゃね。」






『気付かれてたんですね、、すみません』





JN「辛いでしょ。正直。
　俺も、今回のことは納得いってないけど。
　難しいよね、この仕事って。

　でも、Aちゃんは間違ってなかったよ。
　誰よりも誠実に向き合って頑張ってたよ」





思わぬ優しい言葉に、涙が出そうになった。



胸が詰まって、声にならない。




JN「ごめんね、近くにいて守ってあげられなくて」





首を横へ振るのが精一杯。




JN「つらい気持ちは、俺が受け止めるから」





頭に手を置かれ、立ち尽くす。






JN「Aちゃんのこと、大切に思ってる」






それは、どういう意味ですか？





聞きたいのに感情がぐちゃぐちゃで、言葉にならない。

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