お人好しのあの子【JIN】

食事 ページ10

「こんばんは」



JN「こんばんは。おつかれさま」




お互いに明日は休みという土曜の夜。


ようやく彼女と予定があって、食事にきた。





メールで何度かやりとりをしたけど
めんどくさがりの俺が、まめに返信している。




変に気を遣わないでいいというか、まぁ多分いい子なんだろうと思うから、やりとりも楽だった。





JN「Aさん呑めるんだよね。今日は俺は車だから、
　 のんでいいよ。」





「いえ、お礼のお食事なので、私だけのむなんて、、」




JN「そういうと思ったけど」




「ジンさんが楽しんでくださいね」




JN「じゃあ今度は車置いてくるから飲もうね」




「、、、あっ、はい」




JN「次もあるのかって思ったでしょ今。嫌だった？笑」




「そんなわけないですよ」




JN「俺に合わせてない？気つかわないでね」







会話もスムーズで、楽しい時間が過ぎた。



職場の人以外で女性と食事なんて久しぶり。

意外と楽しめるもんだな。




JN「Aさんさ、いつもあんな感じなの？」




「あんな感じとは？」




JN「受付の時さ、めちゃくちゃ丁寧に対応してるよね。
親身になってて驚いたよ。コンビニでもそうだったから、本当にそういうタイプの人なのかなと思ってて。」



「受付は、親切にやろうって決めてるんで。だって、歯医者ってみんな嫌じゃないですか。不安な気持ちで来る人ばかりだから、できるだけ不安を和らげてもらえたらと思って」





JN「すごい大事なことだよね。でもさ、あそこまで対応してたら、回らなくない？希望通りにはやってあげられないこともあるでしょ。丁寧なのはいいけど、苦しくない？」




「そうですね。よくミン先生にも言われます。」




JN「俺も院長としては、言っちゃうかも」




「先生には無理なことは無理って言われるので、そのときはそれに従います。患者さんには精一杯誠実に対応すればわかってもらえると思ってますけど、難しいこともありますよ」





JN「でも親身になって聞いてあげるんだ」





「聞くことはできるので。
　というか聞くことしかできないかな。」





JN「すごいね なんていうか、意外としっかりしてる」





「ダメダメですよ。わたしなんて」




JN「いや、Aさんに救われる患者さんはいるでしょ。」






単なるお人好しかと思ったけど、彼女なりに信念みたいなものがあるってことがあるんだ。

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