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季節は変わり、ジメジメとした梅雨がやってきた。
安「今日も雨か…洗濯物全然乾かへんなぁ」
大「ヤス、はよ行くで〜」
安「あ、ちょっ待って!」
今日から服装チェック週間。
生徒会事務委員になった学園初の1年生生徒会の一員である俺らは、
朝、早起きして雨の中生徒の制服をチェックする係に任命されてる。
身だしなみは大事って言われても……
安「大倉はいつもシャツ出してるもんなぁ」
大「あれはわざとやないねんって、出てくんねん」
安「シャツが勝手に出てくるかい」
バシッとつっこまれて返す言葉もない。
だって勝手に出てくんねんもん。
大「あ、ちょそこの……女の子!」
目の前を通った女がハンカチを落とす。
全然気づかんと走っていくもんやからヤスに一言かけてから走って追いつく。
大「なぁ、ハンカチ落としたで?」
「!あ、ありがとう」
大「おん、気をつけて」
俺は直ぐにその場から離れヤスの元に帰る。
安「きゅ、急に走ったら……お腹痛くなるやん!」
大「ごめんごめん、落し物届けただけやから」
ヤスに渡された生徒会って書かれた腕につけるやつをつけて屋根のある室内へはいる。
大「入口はいっぱいあるのに、生徒会が抑えるのはこの第1扉だけ…
第2扉の方が人来るの知らんのか?
ゆっるゆるやな」
安「楽でええやん」
雨やし傘さしてくる人多いやろから、人の少ないところの方が濡れんで済むで?
なんてポジティブなやすの言葉に何となく流される。
安「あ、おはよぉサクラさん髪色戻さな生徒会に目付けられるで?早めに戻しや〜」
安「あれ?今日雰囲気ちゃうね!ええやん可愛い」
ヤスは女子に人気だ。
男子「お前、気抜いてたら安田くん取られちゃうぞ〜」
シャツをビロビロ出したまんまで同じクラスの男子にからかわれる。
大「うっさい!お前らシャツちゃんとしまえ!!」
男子「お前が先に入れろや!!!!」
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作者名:ゆうか | 作成日時:2020年4月7日 10時