きっと一生好きな人。#8 ページ19
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呼び出した校舎の裏は少しだけ、
冬のにおいがした。
「…ごめん、」
そう答えた柳田君の真っ白な肌には、
紫がかった紺色のジャージがよく似合っていて。
「ううん、こっちこそごめんね」
遠くには部活動に励むみんなの声と、
わかりきってた告白の結末。
「…はぁ、スッキリした！」
好きで好きでたまらなかったけど、
伝えられただけできっとじゅうぶん。
「ごめんね、部活あるでしょ？」
もう行っていいよって言ったのに、
行けない、って。
「なんで？」
「…Aが、泣いてるから」
「泣いてなんかないよ、」
「ん…、」
喉が、熱くなった。
眉毛を少しはの字にしてる柳田君の顔が、
涙のせいで滲んで映る。
「…っ大丈夫だから、私も部活あるし、」
あぁもう
泣かないって決めてたのに。
「………ほんとに、大丈夫だから…、」
そう言って下を向いたら、
涙はぽろぽろとこぼれ落ちてきて。
きっと、
すごく困らせてるのに。
柳田君は、
指先まで伸ばしたジャージの袖で
まるで薄いガラスに触れるみたいに、
そっと。
「……ハンカチとか、なくてごめん」
頬を伝う涙が、
袖口の紺色を染めていく。
「……柳田君のジャージがよごれちゃう、から、」
「ん？いいよ、」
校舎の裏で感じたのは、静かで透明な冬のにおい。
一生分の勇気を使い果たした告白は、
叶わなかったけれど。
泣かないって決めてた涙も、
たくさんこぼしてしまったけれど。
(きっとあなたは、一生私の好きな人)
(私が死んでしまうまで、ずっと好きだと思える人)
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まな - いつもお話楽しみに読ませて頂いています！初恋の続編的なのを出来たら読みたいです！これからも頑張ってくださいm(_ _)m (2022年11月22日 17時) (
レス) id: fb95b59a3c (このIDを非表示/違反報告)
mi mi mi - 星野将希さん» 一作目から見てくださっているのですね。とても嬉しいです。先生シリーズもまた更新しますね。ありがとうございます^_^！ (2018年2月2日 1時) (レス) id: 8be4045229 (このIDを非表示/違反報告)
星野将希(プロフ) - はじめまして、シリーズ一作目から読ませて頂いています。mi mi miさんの文体がすごく好きです。特に先生シリーズ？(1487:生徒、夢主:先生)がお気に入りです！これからも更新頑張ってください。応援してます！ (2018年1月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 2e2dbe8a41 (このIDを非表示/違反報告)
mi mi mi - 南さん» そう言っていただけるととってもとっても励みになります。これからもよろしくお願いします(*^_^*) (2018年1月16日 4時) (レス) id: 8be4045229 (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - mi mi mi大好きです！ (2018年1月13日 20時) (レス) id: 20552de2df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi mi mi | 作成日時：2017年10月12日 23時
