よんじゅし。 ページ47
「……あれ、ていうかさ、楓華」
「？なに？」
「なんでわざわざ俺に言ったの？」
「なにが？」
「いや、お前が風葉を好きな事」
そういうと、楓華はぽかんとした表情を浮かべていた。
だってそうだろ？よくよく考えたら、俺に言う必要なくね？
怒られると思ってたなら尚更。
しばらくの沈黙のあと、楓華は口を開いた。
「え、だって、お兄ちゃんの許可とらないとなーっと思って」
「は？」
「お兄ちゃん、すぐ嫉妬するじゃん」
「はい？？」
「え？」
「え、嫉妬って、誰に？」
「風葉君の事が好きな子」
「……え、俺、した覚えない」
「え…『あいつらに風葉の何がわかるんだ！！』って、あれ嫉妬じゃないの…？」
「え…？」
「え…？」
親友が傷つけられるのは誰だって嫌だ。
だから、風葉の事を好きだとかかっこいいとか言う女子には、割と嫌な態度をとってきた。
風葉に近づけさせないために。
……でも、それが嫉妬かどうかと言われると、戸惑う。
嫉妬、なのかな。これ。
「まぁ、とにかく、お兄ちゃんにも許可とったし！」
「とった覚えはないけどな」
「私これから頑張る！頑張って風葉君に振り向いてもらう！」
「無視ですか。まぁいいけど」
「じゃあお兄ちゃん、ちゃんとご飯食べてね！お大事に！」
「おう、ありがと」
楓華は部屋から出て行った。
パタリとドアが閉まる。
俺は、しばらく、無言で扉を見つめていた。
「…風葉を、ね」
まさか楓華が風葉を好きになるとは。
けれど、今まで風葉に近づいてきた女達に対するイライラは、楓華にはない。
楓華は風葉の本音や本性を知っている。
その上であいつを好きだと言うのだから、その気持ちは本物なのだろう。
だから、楓華の気持ちを否定する気はないし反対するつもりもない。
風葉だって、俺にあんな事してきたけど、楓華は大丈夫だ。
もし俺の事が嫌いでも、俺の妹だからと言って拒絶するような奴ではないし。
それにきっと、風葉なら楓華を大切にしてくれる。
その確信はある。
だから、もし風葉も楓華が好きで、両想いになって付き合うのなら、俺は認めるのだと思う。
…でも、なんだろう。
「はぁ…」
あまり、いい気はしない。
妹が取られるから？……いや、それだけじゃない。
もっと、別のなにか。
「意味わからん……」
そう呟き、俺は、楓華の作ったお粥を口に入れた。
うん…美味い。
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ここあ - バイセクシュアルではなくバイセクシャルでは？ (2018年10月26日 14時) (
レス) id: 0f9e78fc04 (このIDを非表示/違反報告)
野菜ジュース - めっちゃ面白いですね！！更新頑張ってください！！(*TーT)b (2017年7月22日 20時) (レス) id: 59730cd92e (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊さん» ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです…！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))お気に入り登録、ありがとうございます！！嬉しいです^ ^ (2017年1月27日 19時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊(プロフ) - もう、大興奮です！すごく面白いです！早速お気に入りに登録しました！！ (2017年1月24日 15時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけたようで…！そう言って頂けてとても光栄です、ありがとうございます！！(=´∀｀)人(´∀｀=) (2017年1月24日 7時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大輝 | 作成日時：2017年1月3日 14時
