さんじゅろく。〈風葉視点〉 ページ39
「んっ、ふぅ…ッ…！？」
ビクリと疾風の体が反応する。
泣いた俺を見て、警戒心が解けたのであろう。
すんなりと舌をいれる事ができた。
口の中は熱かった。
舌を絡めて、筋をなぞって、唇を舐めて。
ちゅ、くちゅ、と、小さな水音が響く。
何度か疾風にはキスをしたけれど、ディープは初めてだ。
好きな奴とするディープ キスは、他の奴とするより、段違いで気持ちがよくて、
キスしている事がバレるのが恐ろしくて、その先に進もうとしなかった過去の自分を恨んだ。
だから、全くと言っていいほど無抵抗の疾風をいい事に、好き勝手にキスしてやった。
涙なんてすっかり枯れた。
頭も腹ん中もドロドロだ。
アイツの事だ。絶対キスしてる。深い方の。
……せっかく、守ってやってたのになァ。
1,2分キスを終え、ゆっくり離れる。
銀色の糸が伸びる。
視界に入ってきた疾風の顔は、今だに何が起こっているのかわかっていないようだった。
そんな顔さえ可愛く思えてしまう。
いや、可愛い。
そんな疾風に、たまらず耳にキスを落とす。
ピクリと反応する疾風。
コイツは耳が弱い。
「……弓月に触られたんだろ？俺が今、お前に触ったトコ」
「ぅ、え…？」
「だから…キス、されたんだろって聞いてんだよ」
「……っ」
少しトーンを落として言うと、疾風は口を結んで目をそらした。
「……ほー」
わかりやすすぎだろ。
だから龍太なんかに狙われるんだよ。
……疾風の口の中、手では触った事あるけど、自分の舌では触った事なかったのに。
あんなんに初めて奪われるとか、警戒心なさすぎだろ。
今まで誰のおかげで襲われずにすんできたと思ってんだ。
簡単に初めて奪われてきてんじゃねぇよ。
……腹立ってきた。
ギシッとベッドが軋む。
気持ちを伝えるべきじゃないとか、今だけ好きでいさせてとか、
そんなん、もうどうでもいい。
だって、壊したのは、お前だろ？疾風。
疾風を押さえる手に力を入れると、疾風は痛そうに顔を歪めた。
ぐっと顔を寄せ、小さな声で囁く。
「……ごめん、優しくできねぇわ」
キスする直前の疾風の顔は、すっかり怯えきっていた。
それさえも可愛い……なんて。
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ここあ - バイセクシュアルではなくバイセクシャルでは？ (2018年10月26日 14時) (
レス) id: 0f9e78fc04 (このIDを非表示/違反報告)
野菜ジュース - めっちゃ面白いですね！！更新頑張ってください！！(*TーT)b (2017年7月22日 20時) (レス) id: 59730cd92e (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊さん» ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです…！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))お気に入り登録、ありがとうございます！！嬉しいです^ ^ (2017年1月27日 19時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
西野 茜＠夜桜智恵理親衛隊(プロフ) - もう、大興奮です！すごく面白いです！早速お気に入りに登録しました！！ (2017年1月24日 15時) (レス) id: dd2fa960e2 (このIDを非表示/違反報告)
大輝(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます！！楽しんでいただけたようで…！そう言って頂けてとても光栄です、ありがとうございます！！(=´∀｀)人(´∀｀=) (2017年1月24日 7時) (レス) id: 0fd182ca0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大輝 | 作成日時：2017年1月3日 14時
