シアトリカルな彼女 2【H×H】

3章6話　エセ・占い師 ページ6

*


｢なんだってって……君が占ってるんでしょ？｣



｢自動書記って言って、勝手に手が書いちゃうの｣



　勿論、私は姿だけ真似たところで、彼女の占いの能力を使えるという事は無い。

　しかし、ひたすら情報収集をしてそれっぽい予言を出すことはできる。

　結局、占われる人達は｢嫌な未来｣を見ても、｢良い未来｣を見ても、それを知った上で何かしらの行動を起こすのだ。

　占った通りの未来が来なくても、何も不思議では無い。｢全て貴方の行動が引き起こした新しい未来です｣、と言えばそれまでのこと。

　それも、


｢百発百中の占いの力を持つネオン＝ノストラード｣


　の言うことなのだから、信憑性はありまくりだ。

　例えばの話だが、飛行船に乗る予定のある人物に、


｢水の無い船に乗ってはいけない。そこが貴方の最期の場所になるのだから｣


　なんて予言を出す。(この例文は少し適当すぎたが。) そうすると、殆どの人物は、


｢飛行船にさえ乗らなければいいはずだ｣

　と、考え、飛行船に乗るのをやめる。そうすると、元々死ぬ予定も無かったその人物は、

｢占いに従ったから助かった｣

　と、勝手に認識するのだ。

　同じ理論で、逆に予言と行動を変えなかった人物は、予言通りにしてやれば良い。

　｢死ぬ｣という予言を出した相手には死を、｢商売が失敗する｣という予言を出したものには、商売を失敗させてやれば良い。

　それだけの事なのだ。


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