4話 ページ4
《太宰side》
「あっ！いた！太宰さん！」
河原で座ること2時間。
私のことを呼ぶ声でハッと我に返った。
太「敦君かい？」
振り返らないままにそう答えた。
敦「敦君かい？じゃないですよ。
国木田さん怒ってますよ。」
太「国木田君の頭に血が上っているのは
いつものことじゃないか。
そろそろ彼も血管が切れて与謝野先生の
お世話になる頃だと思うのだが……
敦君はそう思う？」
私は今までの夢の悩みなど
遠くへ追いやるような明るい声で言った。
実際に探偵社員たちといると
明るくなれるのは事実だ。
現に今までだってあの夢を見ずに過ごしていた。
敦「国木田さんがそうなったときは迷わずに
太宰さんに慰謝料を請求するでしょうね。」
敦君の呆れた声。
太「敦君、酷いな。
体調管理は自己責任の範疇だよ。」
いつもの調子でふざけた物言い。
＿＿＿＿楽だ。
素直にそう感じた。
敦「はいはい。
国木田さんが自己管理の範疇でいられる内に
探偵社に戻りますよ。」
そう言いながら敦君が私の腕を引っ張った。
その決して強くはない力に従って私は立ち上がる。
私の頭の位置が敦君の頭の位置を通り過ぎる時、
敦「太宰さん。
何かあったら僕にも言ってくださいね。
役には立たないかもしれませんけど……」
ボソッとそう言った声が聞こえた。
小さい声だった。
しかし、その声は私の頭の中に大きく響いた。
＿＿＿ああ、そっか。頼っていいのか。
いつもは敦君のことを気に掛けている私が
逆に気に掛けられてしまったのだ。
太「……ありがとう。」
聞こえるか聞こえないかの声で
私はそう言って微笑んだ。
私の微笑みに気が付いた敦君の顔が
ほころんだように見えた。
＿＿＿暖かい。
素直にそう感じた。
続く (更新停止中)
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Ririna世界より伊領(プロフ) - はじめまして！前作から読ませていただいております！すごく面白いです！更新楽しみに待ってます！｡ (2017年4月17日 20時) (
レス) id: c7e2de022e (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 林檎さん» 忘れてました！外しました！ (2017年4月9日 21時) (レス) id: e1670f05a8 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - オリフラ外してくださいね！分からなかったら教えますよ！ (2017年4月9日 20時) (レス) id: f37d8d6958 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓
| 作成日時：2017年4月9日 19時
