なべちぇり。 ページ29
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某日。
『じゃ、撮るよー』
カメラマンさんの間延びした声と共にたかれるフラッシュ。ここまでだったら普通の雑誌撮影と何も変わらないんだけど、違う所が何個か。
まずひとつは、ananの撮影。自分で言うのもあれだけど、私呼ばれすぎじゃない？
そして2つ目。今回も1人では無くて、相手がいること。
『渡辺くんもっといけるよ、頑張れ』
『ぅえ、〜〜……はい、がんばります、』
そう、SnowMan 渡辺翔太。
『俺いますげぇ罪悪感』
「え、なんで？」
『だって人妻とこんな事するなんて……ねぇ？』
「よく言うよ。普段あんだけ " 結婚して " とか言うのに」
『あれはノリじゃん。しかもメンバーしか居ないし』
そう軽口を叩き合いながら進めていく撮影。逆に変に緊張しないから私としてはありがたいけど。現実、そういうわけにもいかなくて。なんせ内容があれだから。
『前同じような特集やってなかった？』
「あー、ね。旦那とやった記憶ある」
『俺が2人目ってこと？』
「まぁそうなるね」
『ふーん………』
「え、なに？」
『いや？笑』
そうこうしているうちにどんどん過激になっていく撮影。いよいよお互い、身に纏う物が最低限になった頃。場所がベッドからシャワー室に移る。カメラマンさんに " 好きにしてていいよ。勝手に撮ってくから " なんて言われた。大丈夫なんですか、それ。
「ぇ、ちょ、」
『好きにしていいって言われたし』
「だとしてもちょ……まっ、ねぇ！」
『ふはは！！！』
何が起こったか説明するね。まず、シャワー室入った途端壁に押し付けられる。そして下着の肩紐がずり下ろされる。鎖骨に唇が落ちて、一回も離れることなく首、頬、そして。
『撮影 " は " 初めてだね』
「その " は " ってなによ」
『だってそうでしょ？忘れたとは言わせないから』
その間も好き放題していく彼。片手は腰、もう片方の手は太腿を慣れた手つきで撫でる仕草に少しだけ反応してしまうのは許してください。
『ね、こういう特集もう俺以外とやらないで？』
「耳やめて、」
『あぁ、そうだっけ。耳ダメなんだ？』
「うるさい、やりすぎだよ」
『じゃなくて。今後もうオファー断って』
「一応言っとくけど私結婚してるからね？」
『うわ、ここまでさせといて現実突き付けないでよ』
「勝手にしてるのは翔太だから」
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作者名：かの
| 作成日時：2022年12月25日 15時
