好きがあふれる。 (ページ25)

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近くて遠いページ25

takanori

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隼『Aちゃん！！おめでとうございます！！』

「わー、ありがとう！！」

玲於『Aちゃんが欲しいって言ってたやつっす。』

「えー！ねぇもうなんなの2人とも大好き！！」

隼『あっ！や、俺も大好きっす！！』

敬浩『こらこら！抱きつかない！
はい！誕生日おめでとう！』

「え、こんな高いの貰えませんって……！！」

敬浩『いーんだよ！Aは普段頑張ってるしね！
あ、お礼はキスでいいよ！』

「しませんっ！！……けど、ありがとうございます！」

敬浩『ちぇー、してくんないのかあ』

いや、当たり前じゃないっすか。

あなたたち付き合ってないでしょう。

つかそもそも、玲於と隼もどさくさに紛れて

抱きつくんじゃねぇよ。

…………あれ、でもこれって普段俺らが……？

なんて考えてるうちに足はどんどん進んで。

剛典『A』

「わっ、びっくりした～……」

敬浩『お、がんちゃんも渡しに？』

剛典『残念ながら俺はもう渡したんです』

玲於『……え？早くないっすか？』

Aの肩を掴んで抱き寄せ、首元を指差し。

これで付けてなかったら超恥ずいけど大丈夫。

付けてるのはちゃんと確認済みだから。

隼『え！？まさかネックレスっすか！？』

敬浩『ひゅ～～！！男前～～！！』

「もうっ……やめてよ………」

玲於『…………』

敬浩さんと隼は中学生の男子みたいに騒いでるのに

そこに混ざらない男が一人いたけど気付かないフリ。

実はこのネックレス、プレゼントの意味もあるけど

もう一つ重要な役割をしている。

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スタッフ『Aさんが付けてるネックレスって
めちゃくちゃ高いですよね？貰い物ですか？』

「ふふ、そうなんです。誕生日に。笑」

スタッフ『へぇ～！素敵な方ですね。彼氏さんですか？』

「……いえ、彼氏じゃないです、友達……かな？」

あのネックレスを付けておけば自然と男が寄ってこなくなるんだ。

大体、友達同士でネックレスなんてプレゼントしない。

ましてやなんとも思ってない相手なら尚更だ。

今はまだこれしかできないから。

そばに行って、" 彼女です " なんて言えないから。

近くて遠い、この距離感がもどかしい。

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