好きがあふれる。 (ページ26)

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王子ページ26

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2016年 6月

" 俺を拾ってくれませんか ─── ? "

何が " 躾のできたよい子です " だよ。

全然躾できてないくせに。

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ELLY『A～！！見た！？これ！』

「あー、うん。見た見た」

ELLY『がんちゃんかっこいいよね～！』

ELLYの能天気に付き合ってらんないよ。

はぁ、もう何だか訳分からない。

広臣『せっかくいい顔が台無しだぞ』

「……どうせ私は可愛くないよーだ。」

広臣『あーあ、そんな事言ってるとほんとにブスになるぞ？』

むにっと頬を掴んでぐりぐりする臣くんにされるがままの私。

今は突っ込む気力も無い。

今日はELLYと臣くんの3人で取材があって

今は空き時間。それから冒頭の会話があったってわけ。

ELLY『さっすががんちゃん！俺には無理だな～！』

広臣『だな。こういうのは王子の役割だもんな』

" 王子 " ねぇ………。

どうせみんな剛典の顔だけが好きなんでしょ。

誰も中身知らないくせに。

……ほら、今も。

『岩田さん、かっこよくなったよねえ～！』

『分かる！筋肉落としてシュッとなったし、
顔つきも王子そのもの！』

『でも昔の岩田くんも好きだな～、私。』

『なにいい人ぶってんのよ！』

岩田剛典の何を知ってそれを言ってるのよ。

彼は自ら望んであのビジュアルになった訳じゃないのに。

まるで剛典が自分から王子になったみたいな言い方じゃない。

広臣『A、かーお。
いつ誰が見てるか分からないんだから。』

「………はぁーい。」

広臣『……がんちゃんがモテだしてもやもやすんのは
分かるけどあからさまに顔に出さないこと。』

ELLY『え？A、もやもやしてんの？』

「別にもやもやはしてないもんっ。」

広臣『じゃあ何？嫉妬？』

「ち、違うからっ！」

彼がチヤホヤされてる所を見ると、胸が痛くなる。

ただそれだけ。

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