【忍たま】忍術学園の事務員補佐になってしまった,,,二

第五十九話 ページ11

きり丸「名前で呼んでください」


おやおや？？


A『な、なまえ？』


急に言われた言葉に反応できず聞き直すが同じことを言われた


きり丸「ダメ、ですか？」


こちらを見上げるうるうるした瞳

...ぐぅぅ、断れないぃ

あれ、そもそも断らなきゃいけないのか？？(真顔)


可愛すぎるお願いの仕方に本来の目的を忘れて頷く

するとすぐにパァァァっと晴れる顔

か、かわ


きり丸「じゃあ、Aさん！」


A『はい、きり丸くん』


持っていた本を置いて互いに自分の名前を呼び合う


なんだこれ、バカップルかよ(白目)


A『はっ！き、きり丸くん仕事をしなくては...！』


きり丸「あっ...」


眼中になく、放棄していた仕事を再開させる





私達がするのは本の虫食い部分がないか確認して

その部分がある本を見つけたら机の上に持ってくる、というものだ


きり丸「これら持っていきましょ、Aさん」


A『はい』


本棚から何冊か持って机まで数歩、足を進める


A『お願いします、不破さん、中在家さん』


雷蔵「うん」


長次「...もそ」


きり丸くんの持っている本と一緒に置く

修復してくれるのはこの二人だ

中在家さんは見た目が少し怖いけど、多分優しい人だと思う

なんというか言葉や所作の端々から優しさが伝わってくる

他の生徒達を見る目が温かい、寡黙な人



ただ

何言ってるかよく聞こえないし、見た目ヤのつく人っぽいけど



今さっき、渡したのは童話、次は歴史に関する本を確認する


久作「」


怪士丸「」


あの二人、名前なんだっけ

確か...


A『！』


ふと、頭をよぎる今世の子供の頃の思い出

小さい子を見るとたまに思い出してしまう


あの村にまだ居たときの記憶

"あの子達"は今も生きているのだろうか

私と同じように成長して、元気に楽しく暮らしているのだろうか


無意識に拳に力が入る


A『...』


きり丸「お、能勢先輩と怪士丸だ

どうしたんですか？そんなに見つめて」


A『...いえ、少し

名前が思い出せなくて』


能勢くんと二ノ坪くん、ですよねと聞けば

元気に頷くきり丸くん





.....よし、ちゃっちゃとやることをやらねば！


A『次は歴史関連の本棚を見に行きましょう』


きり丸「はい！」









過去に何を思っても変わらない

いつの時代だって時間を戻す術はないのだから

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