Dear.絶対エース【1】 (ページ22)

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22.♯ ページ22

涼「…ひかぁ、くん」

光「ん？」

涼「…あした、りょうもこうえんいくの？」

光「そうだよ。楽しみ？」

涼「んー…わかんない。
あのね、りょうね、おそといったことないの。
だからちょっとだけ…こわいなぁ」

光「えっ！？」

涼「わっ、びっくりした」

思わず大きな声を出してしまい、眠りかけで半目だった涼介の目はたちまち大きく開いた。

光「外出た事ないの！？」

涼「え、うん…あっ、いっかいあるよ。
おうちのまえまでね。でもおとーさんがダメだって、おこられちゃった…」

光「…そうなんだ…」

涼「りょう、わるいこだから。
おとーさんおこっちゃうの。
光くん、いいこってどうやったらなれるの？」

光「涼介はいい子だよ！物凄くね」

涼「でも…いいこじゃないから、
おとーさんりょうのことたたくんだよ」

それは、お父さんが悪い人だからだよ。

それを涼介に言ってもいいのか、迷った。

子供は純粋だからこそ、親を絶対的存在におもっている。

それにどういう人が良くて、悪いかなんて話しても理解してくれるのだろうか。

光「…いいこになるためにはね、色んな事を経験するのが大事なんだよ」

涼「けいけん？」

光「そう。外に出たり、お買い物したり、学校に通ったり。
嬉しいことや楽しいこと、悲しいこと。
失敗も成功も全部経験して成長するのが大事なんだよ」

涼「そしたら、いいこになれる？」

光「そうだよ」

涼「んぅ…りょう、よくわかんない」

光「これから分かるよ。
俺たちと色んな事しようね」

山田のペースでゆっくり学んでいけばいいから。

隣で寝転ぶ涼介のお腹をポンポンすると、
ゆっくり瞼が閉じて行き小さな寝息が聞こえ出した。