Dear.絶対エース【1】

49.♯ ページ49

ガシャーンッ！！








気付いたら、手に持っていた食器をシンクの中に向かって思いっきり投げ入れていた。



食器はシンクの中で割れた。







一瞬だけ、消えたような気がした。







それが気持ち良くて、雑誌を全部ビリビリに破った。




本棚にある本を全部ひっくり返した。



リモコンをテレビに向かって投げた。
テレビが傾いて壁にぶつかって音が鳴った。



食器も落としたが、床が吸音のもので柔らかかったから割れなかった。






もう一度拾って投げようとして、辞めた。






一瞬にして荒れた部屋を見回して、
俺何やってんだろうって、急に我にかえった。








涼「……ははっ、」



渇いた声が漏れる。







涼「何やって、んだ…俺。馬鹿だなぁ」




本当、馬鹿だよ。馬鹿。




力なくソファに座ると、
途端にダルさが体全体に広がって。




涙を拭う気力さえ無い。









涼「……っ、うわぁぁああああ…っ！！！！」








久々に、全力で泣いた。

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