【銀魂】彼と私の契約関係２【沖田総悟】

真実の関係 ページ25

Aside
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沖田さんは自室へと戻っていく。
その姿をドキドキした心臓をおさえたまま見送った。思わず深呼吸する。落ち着け。

私と出かけたかった、と彼は言った。
確かに、作戦の時に、また出かけましょう、みたいなことをいって、はいと返された気はする。でも、まさか、沖田さんの方から「出かけたいと思ってた」と言われるとは思っていなかった。嬉しさがこみ上げてくる。きっと、彼のことだから、特に意味のある発言ではないつもりかもしれない。頭ではわかっていても、くすぐったさと熱を持った嬉しさが身体中を駆け巡って、変な感覚になる。

とりあえず紙をしっかりと折りたたみ、自分のバッグに入れた。よし、なるべく近いうちに旅行代理店に行こう。行こう行こう。
京都旅行か。京都入ったこと自体はあるけれど、そこまで観光した訳では無い。実質初めてのようなものだ。沖田さんはどうなんだろう。京都、といえば将軍にゆかりの深い地でもあるし、何回も行った経験があるのかもしれないな。

そのとき、スマートフォンのメッセージアプリの通知音が鳴った。
なんだろうと思って手に取る。

志村妙今日ゴリラが京都旅行のチケット当たったらしくて、誘いに来たんだけど。
無事、Aちゃんのところにチケット渡った?


『…千里眼？』

まさかお妙さん、近藤さんの誘いを断ったのって、ただ単に相手が近藤さんだからってだけじゃなくて、私と沖田さんが旅行できるように仕向けたかったから…？
な、なんて策士。私も返事を返す。

Aはい、今日、近藤さんから譲ってもらいました。
お妙さん、私のところにチケットが来るの、見越してたんですか!?

すぐに通知がきた。

志村妙いえ、私は断るついでに、チケットがもっと必要な人にでも渡せって言っただけよ。
沖田夫婦の新婚旅行ができそうでよかったわ!!

いや、やっぱり仕向けてたんじゃないですか。
近藤さんは、お妙さんの発言で私と沖田さんにチケットを渡すことを思いついたに違いない。
とにかく、お妙さんには感謝だ。おかげで沖田さんと泊まりがけの旅行ができるのだから。

Aありがとうございます!

お礼のメッセージを送ると、お妙さんからは笑顔の顔文字が送られてきた。…私が沖田さんへの恋心を自覚したことも、お見通しだったりして。

つくづく女って怖いと思いながら、私はスマホを机に置いた。

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