迷惑な関係 ページ16
Aside
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お妙さんは静かに銃を構える。何かさっきのようなオーラが出ている気がして、思わず身震いした。
バン!
「ふふふ、入浴剤ゲットね」
「姐御も上手いナ」
お妙さんはテンポよく景品を取っていく。
どんどん盛り上がっていくおたえさん&神楽ちゃんと対極的に、どんどん顔が青ざめていくおじさん。そりゃそうだ、景品はもうこのふたりが半分くらいとってしまった。
「お客さん、あの、そろそろ…」
汗を光らせながらしずしずと申し出るおじさん。
「あら、なら次はAちゃんが…」
『だ、大丈夫です!』
これ以上この屋台に迷惑をかけられない。おじさんの様子もそろそろやばい。
「遠慮しなくていいヨ」
「その通りよ、ねえ、店員さん?」
狙っているのかいないのか、そうおじさんに笑いかけるお妙さん。おじさんはがくがくと頷く。すみません…
『じゃあ…』
初挑戦だった私は、全発外してしまった。
おじさんはほっとしたような顔になる。私一安心だ。
「A、初めてアルか?もう一回やってみればいいネ」
『ううん大丈夫、すみませんお邪魔しました』
大量の景品を抱えた二人を引っ張って射的から去った。二人がきょとんとしてるから怖い。
その後もいろいろゲーム系の屋台をやったけど、お妙さんと神楽ちゃんの実力が凄まじく、毎回店主さんを泣かせていた。…赤字かも。
「いっぱい景品貰えたアル!次はどこにするカ?」
『ええと、私、かき氷たべたいな』
もはや景品の塊と化している私たち。道を歩けば、自然と人の波が引いて私たちの進行方向が空く。なにこれ、十戒?
こそこそと聞こえてきた、「あの子たちは屋台キラー」「回った屋台は赤字になる」という囁きに、頭が痛くなる。ごめんなさい、お祭りの実行委員さん…
「てめーらだったのか、屋台を潰して回って迷惑こいてんのは…」
後ろから聞こえてきた低い声。
「あ、マヨ」
『…こんばんは、土方さん』
土方さんは疲れた様子で肩を回す。
「ゲーム系の屋台がどんどん閉まっていくって通報と、景品がとられたっていう半泣きの屋台の連中を頼って探してみれば…」
…景品のとりすぎて、屋台が閉まってしまったらしい。初めて聞いた、そんなの…
「なんだその景品の量!異常だっつーの!そりゃ店も潰れるわ!」
土方さんは私たちの背負う景品をびしびしと指す。
「あら」
『すみません…』
「別に、ただ楽しんでただけアルよ?」
「限度があるだろ!!楽しんだレベルじゃねーよ!」
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます。 (2019年10月25日 23時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - と〜っても面白いです!更新頑張ってください! (2019年10月25日 19時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 麗桜さん» ありがとうございます!嬉しい限りです。マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年10月19日 18時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
麗桜 - とっても面白いです!無理矢理原作に沿っていなくて,とても読みやすいです!更新頑張ってください! (2019年10月19日 16時) (レス) id: a174017b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年8月25日 22時