ハ ナ ビ《坂田銀八》 ページ6
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ハ ナ ビ
坂田銀八
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Aside
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「ばいばーい、せんせー」
「また明日ナー」
「さようならー」
『じゃあねー、青春しろ若人よ』
教室を出ていく生徒達を見送る。
私だって別に年寄りじゃないし、彼らとの年齢差は七年くらいなんだけど。10代を駆け抜ける生徒達を見ていると、自分は大分パサついてるんだなということをしみじみと感じてしまう。
「じゃ、五時半に駅で」
「後でねそーくん」
なんとなく生徒達が色めきたって教室を出ていったのは、他でもない。今日、高校の近くで花火大会が行われるからだ。私が副担任を務めるクラス、3年Z組にできている数組のカップルは浴衣姿の待ち合わせをするらしく。
『輝いてんなぁ…』
「何、お前も花火大会行きたかったの?」
後ろからかけられた声。振り向けば、白衣にサンダル、銀髪パーマという教師かどうか疑うような人間が立っていた。
『そりゃあ、結構有名ですからね』
私はこの銀魂高校のある街が地元なので、あの花火大会には何度も行っている。それでも毎年飽きないし、見物客も増えていているそうだ。
「ふーん、ガキか」
『悪かったですねガキで。というか、坂田先生のせいで行けないんですけど!』
何故か得意げな天パ教師を睨みつけた。
本当は、私は今日、花火大会の見回りをする予定だった。それにかこつけて花火エンジョイしてやろうとワクワクしていた矢先に発覚したこのクソ担任のやっていない山々の仕事。期日が近いものや校外に提出しなてはならない書類もあり。あまりの量にハタ校長が私との共同作業を命じ、見回りはほかの先生の仕事になった。
__つまり、私は坂田銀八のせいで楽しみにしていた花火大会を諦めることになったのだ。
「そりゃあの触覚校長を恨むんだな」
『校長も悪いけど七割悪いのは坂田先生ですから。もう一生恨む』
連れ立って職員室に向かう。しかも本人には反省の気持ちが一切ない。なんて上司を持ってしまったんだ。
「たかが花火で大袈裟な」
『たかが花火されど花火です、一発殴っていいですか?』
「おお、こわいこわい。上司への暴言だ逆パワハラだ」
なんてクズ担任。それなりに生徒に慕われてるし、いざという時は頼りにはなるんだけど、その代わりに普段はとんでもないちゃらんぽらんだから帳消しだ。もう少し真面目に生きてもバチは当たらないぞ。
『部下に迷惑かけてるんです、むしろこっちがパワハラ受けてますから』
「…はぁ、被害妄想か、嫌な部下」
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 氷華さん» ありがとうございます!嬉しい限りです! (2019年12月25日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 神威君ーーーーーーーーー! この小説いいね♪ (2019年12月25日 12時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月27日 1時