ツ ヅ キ《土方十四郎》 ページ27
*****
ツ ヅ キ
土方十四郎
*****
Aside
·
みんな、もう来ていたようだ。
久しぶりの母校の校門にはこんもりと人だかりができていた。
「A〜」
その中でも一際目立つオレンジ色の髪の毛を持った女の人が、私に気づいて手をひらひら振ってきた。
『神楽ー、もしかして私遅刻?』
「今揃ったところだからギリセーフよ」
___銀魂高校元3年Z組の同窓会の招待状が届いたのは、少し前のことだった。
高校生活から十年近くが経とうとしている今、母校でみんなで集まらないか、というお誘い。幹事は当時学級委員だった桂と、なんか駆り出されたっぽい新八だった。
3年Z組のメンバーはなんだかんだ言いつつ仲が良く、個人的にはちょくちょく会って遊んだりもしていたけど、全員が正式に集まる機会は卒業してから一度もなく。もちろん参加しかない、と《出席》印に丸をつけた。
「元3年Z組の面子、全員来てるらしいわよ」
『だからこんなに人多いのか』
オレンジ色の髪の毛を長く伸ばし、チャイナ風の上品なワンピースをすらりと着こなしている神楽。在学当時同じ部活にいたこともあり、3年Z組メンバーの中で一番と言っていいくらいの親友だ。一ヶ月に一回の頻度で会っている。
神楽は世界的に有名な貿易会社に就職したそうで。時々海外にも出張する、バリバリのキャリアウーマンだ。酢昆布食べて早弁してた彼女の学生時代を知っている私からすると意外&衝撃だけど、あの頃よりぐっと綺麗になり、言葉遣いも変わった神楽を見ると、納得できる気もした。
「久しぶりね」
「ご無沙汰だな、神楽、A」
『お妙、九ちゃん。お久しぶり』
二人とは、およそ一年ぶりの再会。この一年で九ちゃんは髪をバッサリ切ってショートヘアにしたようだ。
『九ちゃんの髪、すごくい』
「お妙さんっ」
そこにずかずか登場したのはスーツ姿の近藤勲。昔のようにダイブしてきたりはしないけど、未だにお妙へのアプローチは続けている。
「お久しぶりですお妙さん、今日も一段と素敵ですよヘアアレンジもキュートで」
「ありがとう、だけどちょっと黙ってくれないかしら?」
むんずと近藤の顔面をひっとらえるお妙。いきなり殴り飛ばしていた高校生時代に比べればだいぶお淑やかな対応だ。
近藤の「いででで」という呟きに被さるように、また声が聞こえた。
「よく飽きないですねィ、十年間もストーカーしてて」
『沖田』
「おう、久しぶり、つってもてめぇとは半年ぶりくれェか?」
44人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 氷華さん» ありがとうございます!嬉しい限りです! (2019年12月25日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 神威君ーーーーーーーーー! この小説いいね♪ (2019年12月25日 12時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月27日 1時