ホ ン イ 2 ページ2
Aside
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今思うとあんな先輩なんて気付かないふりをしてとっとと通り過ぎればよかったのだ。一ヶ月と少し前の自分を殴りたい。
高杉先輩はびしょ濡れで校門に寄りかかっていた。何やってんだろう、と思って少し歩くペースを緩める。
友達のいない私でも流石にヤンキーとして有名な高杉晋助のことは知っていて、眼帯をした厨二病っぽい見た目からもやばい人なんだろうと想定していた。
あまりに彼のことを見ていたからか。
向こうも私の視線に気づいて、こっちを見てきた。
…あれ、これ、睨まれてる?
もしかして、不良にガンつけられた…?
スルーして通り過ぎようかと思ったけど、強い視線は離れることがない。
怖い怖い、ヤンキーにこんな視線を向けられて耐えられるはずがない。でもなんで?
と考えて、傘があるのが羨ましいのかな、と思い至った。いや、備えてなかった貴方が悪い。私はただ傘を持っていただけで、
「……」
や、やっぱり怖い。
大抵のことは無視できる私でもちょっと無理。
私はリュックからいつも予備として常備している折り畳み傘を取り出した。
『あのこれどうぞ!さようなら!』
恐怖のあまり早口になりながら傘を押し付け、私は相手の返事も聞かずに校門を駆け抜けて逃げた。
これでもう睨まれたりなんてしないはず…
__確かに睨まれることはなくなった。
けれど、彼が傘を返しにわざわざ私の教室まで来てクラスメイトをざわつかせ、更に何故かくっついてくるようになりもっとクラスメイトをざわつかせるようになり。
いきなり関わってくるようになった高杉先輩。
穏やかな生活は壊され、今に至る。
***
『高杉先輩、ほんとにどうして私に付き纏うんですか』
「さァな」
『さあなじゃないですって』
こちとら本気で迷惑しているのだ。
今まで私のことを【生真面目なクラスメイト】としか思っていなかったであろう私のクラスの人たちも、【ヤンキーと関わりのある危険な奴】認定をしだしている。
「強いて言うなら、てめェが面白ぇからだな」
『そんな理由ですか!』
不本意ながら彼と一緒に銀魂高校に到着し、3年生の教室がある五階に行く高杉先輩と四階に行く私はようやく別れられる。
「じゃあまた後でな」
『来ないでくださいね、絶対』
釘をさして別れるが、多分昼休みには教室まてまやって来るだろう。
たまに鬼兵隊の人たちも引き連れてやってくるので本当に迷惑極まりない。
『勘弁してくれよ』
そう独りごちて教室に入った。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 氷華さん» ありがとうございます!嬉しい限りです! (2019年12月25日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 神威君ーーーーーーーーー! この小説いいね♪ (2019年12月25日 12時) (レス) id: e5c89771f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月27日 1時