楽しい時間は ページ44
Aside
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広場で行われているクリスマスマーケットを見たあとは、室内のお店をまわっていく。お土産屋さんや雑貨屋さん、食品サンプルの専門店なんかもあった。
アドバイスをくれた天元とカナヲちゃんに何か買っていこうかな、と考えて、善逸のために購入した腕時計を思い出す。
…いつ渡そうかな。
サイコロステーキの食品サンプルを興味深げにつついている善逸をちらりと見た。
別れ際に渡すのがいいだろうか。どうやって切り出せばいいんだろう。
「俺、これ買おっかな」
…食品サンプルを見比べる善逸の真面目な顔が面白くて、私はまた吹き出した。
***
時間はあっという間に過ぎていく。
レンガの商業施設を出て、洗練されたような空気の漂う街中をぶらぶら歩き、大きなショッピングモールに入ってたくさんのショップを見て行った。
気づけば空が暗くなりだしていて、私は目を丸くした。冬は日が暮れるのが早いとはいえ、時間が経つのが早すぎる。
──それだけ、善逸といるのが楽しいのだ。
「そろそろ夕飯食べない？行きたかった店があるんだ」
歩き回ってお腹がすいたし、善逸の誘いに賛同する。このショッピングモールの中にある場所らしい。
そうして着いたレストランは「お洒落」を体現したかのようなところだった。私が店内の装飾やらなんやらに釘付けになっているうちに、善逸は店員さんと会話を交わしていた。どうやら予約してくれていたようだ。
『ありがとう、善逸』
席に案内されながら善逸にお礼を述べると、善逸はううん、と笑って首を振る。
前に天元が「飯食べる時にちゃんと予約なりなんなりしてくる男はデキる奴だ」と語っていたのを思い出した。
席は窓際の二人席だ。窓からはまだ夕暮れの仄かな明るさが残る街の様子が見られた。特に、ほぼ目の前にある大きな観覧車が目立っている。
これまた綺麗な景色を眺めながら、店の雰囲気ぴったりのお洒落な食事をとる。洋風の料理はどれも美味しくて、私と善逸はひたすら舌鼓を打った。
窓からの景色に、美味しい食事。そして、善逸。
…今までで一番楽しいクリスマスイブかも、しれない。
満足感を得てレストランを後にし、ショッピングモールから外に足を踏み出す。
昼間より随分冷えた風が通り抜けている。エアコンの暖気と高まった気分で熱っぽい自分の体にはちょうどいいくらいだ。
善逸は少し口元を緩めて目を細め、昼間とは違う光に包まれている街を見つめていた。
…渡すなら今、なのだろうか。
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凛櫻 - 心臓が飛び出そうなぐらいキュンキュンしました…！！ え、善逸カッコ良すぎでしょ、、が止まりませんでした！！ 素敵な作品をどうもありがとう！！ (2020年5月18日 11時) (
レス) id: c829f486b3 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - りついちさん» ありがとうございます！鬼滅のキャラを現代でちゃんと動かせているか結構不安だったので、楽しんでいただけてよかったです！ (2020年2月19日 22時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
りついち - 完結おめでとうございます！！現パロの純な恋愛物語って新鮮だったので毎回読むのが楽しみで楽しみで…本当に素敵なお話をありがとうございました！ (2020年2月19日 21時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 羽結さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようで、嬉しい限りです。 (2020年2月17日 10時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
羽結(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました、毎回毎回の更新にドキドキしてました、、本当に素晴らしかったです、お疲れ様でした！！！ (2020年2月17日 7時) (レス) id: ca2da2f188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年12月24日 16時
