【鬼滅の刃】元彼と、もういちど【我妻善逸】

気合十分 ページ40

Aside
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クリスマスイブが、ついにやってきた。
善逸とのデートの日。私はいつもの休日より早く目覚まし時計をセットして、家の中を走り回りながら支度を整えた。
普段は使わないカールアイロンを使ったり、新しく買ったアイシャドウを使ってみたり。
…いいって、思ってくれるかな。
鏡の中の自分を見る。善逸が、気に入ってくれればいいんだけど。

──善逸と待ち合わせたのは、大きなターミナル駅だ。様々な路線が乗入れている駅の改札口。
駅は多くの人で溢れかえっていた。中にはカップルっぽい人達もいる。お店の外に出ている人形には、サンタクロースの帽子が被せられていて。壁に貼ってある広告も、赤と緑のカラーばかりだ。


「あ、A。おはよう」

以前の映画デートの時と同じように、善逸はもう既に私を待っていた。善逸の着ているコートの裾がさらりと揺れる。私はおはよう、と返して、彼の元に駆け寄った。

「なんか髪の毛、いつもと違うね」

いきなりかけられた言葉に、私は目を丸くした。気づくの、早い。

『う、うん、巻いてみたんだ。すごい手間取っちゃったんだけど』

私は、巻いた自分の髪を横目で見る。うまく巻けなくて、何度かやけどしかけた。


「すごい似合ってる。いいと思うよ」

善逸はにこりと笑って、左手で私の髪の先にほんの少し触れた。
一気に体中に熱がこもる。
ストレートな褒め言葉に、伸ばされた指。
…ずるい。
狙ってやってるのかと疑いたくなるくらい。大人びた笑顔も相まって、余計にくらくらする。
既にこの調子で、私、今日一日耐えられるのだろうか。


『あり、がと…』

なんとか言葉を絞り出すと、善逸は笑みを深めた。
じゃあ行こうか、と言われて、頷く。

この辺は有名な観光スポットで、タワーやら中華街やら公園やらが多くある。少しお昼には早いけど中華街に行って、食べ歩きをしながらお腹を満たそうという計画だった。

『近くに住んでたけど、ちゃんと観光するのって初めてかも』

「近所だからこそあんまり注目してなかったりするよね」

そんな会話をしながら、改札をぬけて地下鉄に乗る。朝、ちょっと早く起きたせいか、お腹がすいてきていた。
すぐに中華街の最寄り駅に到着して、多くの人が電車をおりる。私と善逸もその中に加わった。


中華街は、風が結構強く吹き付けていた。さっき待ち合わせた駅より海に近いからだろうか。冬の最中だし、寒い。

『あったかいもの食べたいなぁ』

「そうだねぇ。…あ、あれは？」

たかがひとくち、されど→←目前に迫りし

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