リアライズ ページ33
善逸side
·
「…あー、うん、知ってた」
しばらく間を置いてから宇髄さんの放った言葉に、俺は思わず「は？」と返してしまった。
知ってた？
「この前の駅で、鬼でも見るような目で俺こことみてたしな。あんな顔してたら誰でもわかるわ」
「え、す、すいません…」
どうやらあの時の俺はとんでもない表情をしていたらしい。
とりあえず謝っておくと、宇髄さんはけらけらと笑い声を上げた。
「まあ、ほとんど他人の俺にここまで話すくらいだとは思ってなかったけどな」
笑ったままの宇髄さん。俺はさっきの自分の発言を思い出して、ちょっと恥ずかしくなった。宇髄さんは、ほぼ見ず知らずの他人だ。Aと一緒にいたところを見たとはいえ、少し話しすぎたというか、ぶっちゃけすぎたというか。うわ、恥ずい。
誤魔化すつもりで俺は自分のフラペチーノを口にする。
「ま、いいや。これで俺も安心して援護に回れるし？」
「援護？」
やっぱりそうだよなぁ俺の勘は正しかった、とぶつぶつ呟きながら頷く宇髄さん。
…援護って、なんだろう。話が見えてこない。
「あ、あとさ、勘違いしてるっぽいから言うけど。俺、Aのいとこだから」
「…はぁ！？」
い、いい、いとこ！？
大声をあげた俺に、宇髄さんは今度は手を叩いて爆笑する。
だって、Aとあんな仲良さげに、してたから。てっきり宇髄さんがAに好意があるのだと思っていたのに。いとこ？嘘でしょ？
「で、でも、さっき【知り合い】って」
「いとこなんだから知り合いに違いねぇだろ」
「名字、違うじゃないですか」
「Aの母親の姉が俺の母親」
「じゃあ、駅でAにくっついてたのは…」
「あれが元彼だってAが言ったから、試してみようと思ってな」
どんどん辻褄があっていく感覚に、俺はうなだれた。安心はしたけど。したけど！さっき俺、思いっきりこの人のこと恋敵扱いの発言しちゃったじゃん…。時間よ巻き戻ってくれ。あの時の自分の頭にハリセンかましたい。
「気にすんな気にすんな、お前が死ぬほどAのこと好きなのわかったから」
完全に面白がってるじゃないか。
俺はため息をついてしまった。
「そんで、ゼンイツくん。来週には何がある？」
ひとしきり笑ったあと、宇髄さんは尋ねてきた。来週？
「…安徳天皇の誕生日？」
「ちげぇよ、なんでそれが出てくるんだよ」
クリスマスだよクリスマス、と言われて気づく。もうそんな時期なのか。本当、この一ヶ月は早かった。
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凛櫻 - 心臓が飛び出そうなぐらいキュンキュンしました…！！ え、善逸カッコ良すぎでしょ、、が止まりませんでした！！ 素敵な作品をどうもありがとう！！ (2020年5月18日 11時) (
レス) id: c829f486b3 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - りついちさん» ありがとうございます！鬼滅のキャラを現代でちゃんと動かせているか結構不安だったので、楽しんでいただけてよかったです！ (2020年2月19日 22時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
りついち - 完結おめでとうございます！！現パロの純な恋愛物語って新鮮だったので毎回読むのが楽しみで楽しみで…本当に素敵なお話をありがとうございました！ (2020年2月19日 21時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 羽結さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようで、嬉しい限りです。 (2020年2月17日 10時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
羽結(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました、毎回毎回の更新にドキドキしてました、、本当に素晴らしかったです、お疲れ様でした！！！ (2020年2月17日 7時) (レス) id: ca2da2f188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年12月24日 16時
