あのころ ページ25
Aside
·
「なあ、まだ食っちゃダメなのか！？」
「駄目に決まってんだろ、さっき火つけたばっかなんだから！」
伊之助くんがガスコンロの上の鍋に箸を伸ばしかけて、玄弥くんにはたかれた。
卓上型のガスコンロに火をつけたのは数分前だ。さすがにまだ早い。
それでも伊之助くんはつまみ食いしようとする(特に肉を)ので、最終的には炭治郎くんが彼の両腕を押さえつけるに至った。
炭治郎くん達と集まって夕飯を食べる約束はすぐに実現した。せっかくだしゆっくりお喋りしつつくつろごうということになって、現在実家を出て一人暮らしをしている炭治郎くんの家で鍋パをすることになったのだ。兄弟姉妹が多い炭治郎くんが一人暮らしをしていることを聞いた時は驚いたが、毎日家族に電話をしているらしい。
ガスコンロと鍋ののった、低めのテーブルを六人で囲む。
さっきみんなで準備をした時、カナヲちゃんが鍋にラムネを入れようとしたのには焦ったけど、なかなか美味しそうな感じに仕上がった。
「落ち着け伊之助！久しぶりにみんなで集まれて嬉しいのはわかる！でもまだ火の通ってない鍋に手を出すな！」
『ほんと、すいません…』
「ご、ごめん…」
炭治郎くんが伊之助くんに言った言葉に、私と善逸は謝罪する。今までこのメンバー全員で集まれなかったのは私達のせいだ。「あっ、いや二人を責めてるわけじゃなくて！」と炭治郎くんが慌てた様子で首を振った。
「まあ、仲直りできてよかったな」
玄弥くんが私と善逸をみて笑った。彼は高校の時、私と善逸がくっつくよう色々応援してくれたのだ。
『うん、ありがと。あの頃は周りが見えていなかったというか、なんというか』
「二年前だけどね」
くすくす笑ったのはカナヲちゃん。大きく表情を変えることはそんなに多くない彼女だけど、私と善逸が別れた時はものすごく心配してくれた。
「いや、二年って結構大きいぞ。二年家族と離れてると寂しくてたまらない」
「炭治郎らしいな」
ようやく伊之助くんを落ち着けた炭治郎くんがしみじみと呟いて、善逸が笑みを浮かべた。
「…そういや善逸が静かになったのって、Aに…むぐ」
鍋を見つめたまま何か言いかけた伊之助くん。自分の名前を出されて聞き返そうとする前に、玄弥くんに「お前マジで黙っとけ空気読めマジで！」と口を塞がれ、カナヲちゃんからもぽむぽむと頭を叩かれていた。
当の善逸は無言で伊之助くんにクッションを投げつけている。なにやってんだろ。
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凛櫻 - 心臓が飛び出そうなぐらいキュンキュンしました…！！ え、善逸カッコ良すぎでしょ、、が止まりませんでした！！ 素敵な作品をどうもありがとう！！ (2020年5月18日 11時) (
レス) id: c829f486b3 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - りついちさん» ありがとうございます！鬼滅のキャラを現代でちゃんと動かせているか結構不安だったので、楽しんでいただけてよかったです！ (2020年2月19日 22時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
りついち - 完結おめでとうございます！！現パロの純な恋愛物語って新鮮だったので毎回読むのが楽しみで楽しみで…本当に素敵なお話をありがとうございました！ (2020年2月19日 21時) (レス) id: 9c40eb9251 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 羽結さん» ありがとうございます！楽しんで読んでいただけたようで、嬉しい限りです。 (2020年2月17日 10時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
羽結(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました、毎回毎回の更新にドキドキしてました、、本当に素晴らしかったです、お疲れ様でした！！！ (2020年2月17日 7時) (レス) id: ca2da2f188 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年12月24日 16時
