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銀時side
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まさか新八の言ってた、大変なことって。
「イマキヨさん…増えるのォ!?」
そっくりな黒頭巾男が二人。なんともおかしな光景だ。どっはぁぁ、とため息をついた。
やはりイマキヨさん達は俺のことなどお構い無しで、今度はオセロを始めている。だから、いつの間に持ってきたんだよ。
テーブルを挟んで向かい合う二人のイマキヨさん。オセロの盤面を見ると、白の石を使っている方が圧倒的に負けている。
黒い石を使っているイマキヨさんは余裕そうで、白い石を使っている方は一手一手にだいぶ考え込んでいるようだ。
ぱちん、と白い石が置かれた。
しかし、すぐさま黒い石が置かれ、あっという間にひっくり返されてしまう。さらに考え込むイマキヨさん。
…なんだか白い石のイマキヨさんが可哀想になってきた。俺はそちら側に座り勝負を観戦する。
「おお、追い上げてきたじゃねーか」
白い石のイマキヨさんが自分の石を角に置き、だんだん盤面には白い石が増えてきていた。そのままどんどん黒が白に変わっていく。
「白イマキヨさん、頑張れー」
せっかくなので適当に声援を送っておく。
…そして、最後の石が置かれた。
最終的に白い石の方が多く、白イマキヨさんの勝利だ。あんなに大差があったのにな、よかったなと呟く。イマキヨさんに伝わっているかはわからないが。
「って、もうこんな時間かよ。飯食うか」
イマキヨさんのオセロ勝負を見ていたら、いつの間にかかなり時間が経過していた。壁掛け時計で時間を確認し、再びテーブルに視線を戻すと──
「えええええ!」
…何故かイマキヨさんが四体に増えていた。
一瞬で二倍に、増えていたのだ。
今度は何をやらかしちまったんだとイマキヨさんを凝視する。
…どこか落ち込んだように見える、さっきまでオセロで黒い石を使っていたイマキヨさん。
「まさか…傷ついた?」
──俺が白い石のイマキヨさんに肩入れしたことで、イマキヨさんを傷つけない、というルールを破ってしまったようだ。
め、面倒くせえ。いや、でも、仕方ないのか。それが都市伝説なんだろうし、破ると確かに大変だ。
俺はルールを忘れないようにするために、イマキヨさんの四つのルールを紙に書き、壁に貼っておくことにした。
***
「ま…マジで?」
『ごめんなさい、自分勝手だって分かってるんだけど…』
イマキヨさんとの生活が始まって数週間。なんとかそれ以降ルールを破らずやっていたある日、突然Aが訪れてきたのだった。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - ちぃなさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年10月30日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃな - ホラー好きなので嬉しいです!更新楽しみにしてます。 (2019年10月29日 14時) (レス) id: 43ae00df60 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 綾葉メグさん» ありがとうございます!マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします。 (2019年10月27日 17時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年10月27日 15時) (レス) id: fe3feae032 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年10月15日 1時