ストーリーテラーからのお願い ページ1
暗闇の中、スポットライトが当たっている場所がある。
そこには、スーツを身にまとった1人の長髪の男と、プラカードを掲げる、白い大きな生物が。
「皆さん、こんにちは。【世にも奇妙な銀魂ちゃん】のストーリーテラーを務める、桂と」
《エリザベスです》
「そこ!俺はヅラじゃない、桂だ!」
長髪の男、桂は真後ろを指さす。白い生物、エリザベスが《何もいませんよ》と書かれたプラカードを桂にみせた。
「…うむ、どうやら気のせいだったようだ」
桂はごほんと咳払いをすると、再び正面を向いて語り出す。
「さて、世にも奇妙な物語というテレビ番組をご存知だろうか。1990年から放映されている人気番組だ。毎回驚かされるような展開を見せ、根強いファンも多い」
《放送前は毎回テレビの前でスタンバってます》
「エリザベス、余計な情報はいらぬ!…ごほん」
二度目の咳払い。桂は気にした素振りを見せず、ネクタイを整えた。
「この小説は、世にも奇妙な物語の銀魂バージョンだ。ストーリーテラーの桂、エリザベスと共に、奇妙な世界を味わっていただけたらと思う」
《よろしくね》
エリザベスはアピールするかのように、プラカードを大きく振った。
「さて、本編を始める前に、この桂からいくつか注意点がある」
桂は満足気に頷く。
「まず、先程も述べた通り、これは世にも奇妙な物語のアレンジだ。ストーリー自体は放映されたものと同じだから、注意して欲しい」
《注意してね》
「次に、ホラー要素が入ると予想される。そのため、銀魂のキャラクターたちが悪役的立ち位置になってしまうこともあるかもしれない」
《ごめんなさい》
「そして、物語の性質上、夢主であるAさんの存在する話、しない話が出てくる」
《気をつけてね》
「最後に。えーっと…なんだったか、エリザベス」
《しっかりしてくださいよ桂さん、一番大事なところですよ》
「うーん、さっぱり思い出せん」
桂は顎に手を当てて、眉をひそめた。
エリザベスは台本をゴソゴソといじり始める。
《桂さん!あれですアレ!ストーリーテラーだから、桂さんは物語に登場しないっていう話をしないと…》
「思い出した、あのBGMがなかったのだ!しかしここにはラジカセもないな。よし、ここは俺がセルフBGMを流してしんぜよう」
すーっと息を吸い込む桂。
「でれれれれん!でれれれれん!でれれれれっれっでれれれれん!」
《桂さん?》
「でれれれん!でれれr」
-強制終了-
23人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくれーぷあいす(プロフ) - ちぃなさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年10月30日 16時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
ちぃな - ホラー好きなので嬉しいです!更新楽しみにしてます。 (2019年10月29日 14時) (レス) id: 43ae00df60 (このIDを非表示/違反報告)
みるくれーぷあいす(プロフ) - 綾葉メグさん» ありがとうございます!マイペースな更新ですが、これからもよろしくお願いします。 (2019年10月27日 17時) (レス) id: 147ef4680d (このIDを非表示/違反報告)
綾葉メグ(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年10月27日 15時) (レス) id: fe3feae032 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年10月15日 1時