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キ ョ リ 4 ページ9

Aside
·

「それじゃ、気をつけて帰れよ。また明日」

あっさりと先生は私に背を向ける。未練なんてない、お前に興味はない。まるでそう言われているみたいで。

『…………っ!』

何かがせりあがってきた。
その何かを言葉にするなら、恋心とか焦燥とか不安とか、ちょっとこっ恥ずかしいものを混ぜ合わせたもの、といえた。
とにかく、私はもう限界だった。

『っ、先生、待って!!』

小さくなっていく白衣の姿を、必死で追いかけた。

「ちょ、おま、どうした!?」

気づいたらしい先生が立ち止まる。その瞳を私に向ける。
私に興味なんてないくせに。
なんでそんな優しい目をしてるんですか。
私は半ばタックルするかのように、彼を掴まえる。

『なんでですか』

もう、もう我慢できないよ。もういいでしょ。ねえ、お願いだから、

「…なにが?」

『なんでそんなにっ、もう、なんでこんな、私を振り回すんですか!』

「……は?」

気づいたらありえないくらいの必死さで、彼にしがみついている。珍しく目を見開いた彼に、すがりついている。

『これ以上、私の、先生への、好きをおおきくして、どうするんですかっ!!』

愚かな私の声は、やたらと大きかった。


***


あああああああああああ!!
もうやだ!なにやってんの昨日の私は!!
よりにもよってあの状況で告ったんだぞお前は!うわああああ!
駅前で先生にタックルして告白。
叫んで冷静さを取り戻して慌てて逃げ帰って、明日学校行きたくないと初めて思って、でも時間は平等に流れる。
別に何も無かったら1日言葉を交わさないだけでいい。でも、今日も補習がある。

『なんて謝ろう…』

焦っているうちに、放課後の補習の時間になってしまった。これ程銀八先生に会うのが嫌だったことは今まで無い。
彼は今日もいつも通り気だるげに授業を進め、ホームルームを行っていた。
死刑執行直前の死刑囚はこんな気持ちなのか、とため息をつき、昨日と同じ席に座る。

《これ以上、私の、先生への、好きをおおきくして、どうするんですかっ!!》

あの言葉は嘘じゃない。本心。もう好きで好きでたまらない自分に腹が立っていた。

『でもさ、本人に言うことじゃないだろ…』

「なーにを本人に言うって?」

『うわっ!』

気づけば銀八先生は私の目の前に座っていて、いつもと同じように話しかけてきた。

『え、いや、あの、別に』

「そ。じゃあさ、聞きたいんだけど」

先生は私を見据える。

「お前、俺のこと好きなの?」

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みるくれーぷあいす(プロフ) - 鈴神さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます!これからも鈴神さんにそう思っていただけるよう頑張ります!よろしくお願いします。 (2019年8月24日 13時) (レス) id: 0de76de774 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こんにちは!突然ごめんなさい(汗 作品読ませて頂いたんですが、一人一人の気持ちがとても丁寧に書かれていて一つ一つの話にすごく惹かれました!!ほんとに素敵なお話ばかりなのでこれからも応援してます!頑張ってください!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: de3968cf62 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月13日 1時

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