コ コ ロ 3 ページ33
Aside
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この前ののぶたすの最後の発言は無視するとして、早速桂くんに声をかけてみる。
『桂くん、おはよう。あのさ、今週の日曜とか空いてるかな?気になってる映画があるんだけど、見に行かない?』
「映画か。丁度俺も気になっているのがあってな。見に行こうではないか」
やった!デートの約束取り付けだ。これで断られたらどうしようかと思っていた。
『そうなんだ。桂くん、なんの映画が気になってるの?』
「【すぺーすうぉーず】だ」
『え、ほんと!私もそれ見たかったんだよ』
【すぺーすうぉーず】は昔から続くロングシリーズで、我が家は皆ファンだ。今その外伝が公開していて、桂くんの興味があったらぜひ見たい、と考えていた。
「そうか!特に俺はだーすべ・いだー対すけーうぉーかーの戦いの回が好きだな」
好きだ、と言う言葉に思わず心臓が跳ねる。自分が言われた訳でもないのに。
『分かる!あのシーンの最後さ、何度見ても飽きなくて。私の親もファンで…』
話は盛り上がる。
でもこれはきっと、《友達》としての盛り上がりで、カレカノのそれではない。
どうかデートで、ちょっといいことが起きますように。なんか、ラブハプニング的な?
***
「すまん、待たせたか?」
デート当日。
時間五分前にやってきた桂くん。いえ、私もいまさっき来たばっかりです。
桂くんはパーカートレーナーにデニムというシンプルな格好だったけど、それがむしろ桂くんのかっこよさを引き出している、気がする。
『ううん、ぜんぜん平気』
「では、行くか」
私、今日はかなり気合い入れて服きてきたんだけど…って、相手は桂くんだ、仕方ない。
電車に乗って近所のショッピングモールを目指す。休日ということもあり、電車は激混みだ。近くに捕まるところもなく、揺れる車内でなんとかバランスを保つ。ヒールスニーカー履いてこなきゃよかったかも。
「揺れるな。…ほら、捕まれ」
『えっ!?』
すっと差し出された桂くんの手。えええ待って待って何そのスマートな感じ!自然すぎ!
私がパニックになるってば!
『あ、ありがとう…』
ドキドキしながら彼の手を握る。ああ、心臓が痛い…
桂くんは「ああ」といってそっぽを向いてしまった。
ど、どこまで本気なんだろう。でも誰にでもやってるんだろうな…こういう優しいところも素敵なのだけれど。
がたんごとんと電車が走り、やがて目当ての駅で停まる。駅構内も混んでいて、桂くんは私の手を離さないでいてくれた。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 鈴神さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます!これからも鈴神さんにそう思っていただけるよう頑張ります!よろしくお願いします。 (2019年8月24日 13時) (レス) id: 0de76de774 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こんにちは!突然ごめんなさい(汗 作品読ませて頂いたんですが、一人一人の気持ちがとても丁寧に書かれていて一つ一つの話にすごく惹かれました!!ほんとに素敵なお話ばかりなのでこれからも応援してます!頑張ってください!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: de3968cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月13日 1時