ケ ー キ 3 ページ13
Aside
·
神楽ちゃんだ。一人で来たのかな。でも、これはそーくんが他の人に本来の性格を見せられるチャンスだ。頑張れ、そーくん。
「いや、付き添いでィ」
「あぁ、Aもいるアルか。やっぱりナ」
何故か私の心臓がどきどきしている。なんで？そうだ、そーくんが上手くやるか不安なんだ。
「…あああっ！」
神楽ちゃんは唐突に声を上げる。何でも、うっかりお財布を忘れてきてしまったことに今気づいたらしい。そしてもう完食済みだそうで。
どーするネどーするネと、見るからに慌てている。
「…金、貸してやろうか」
そーくんのぶっきらぼうな申し出に、神楽ちゃんは目を丸くする。
「えっ、いいのカ！？マジで！？助かるネ」
そーくんの優しいところを、神楽ちゃんに知ってもらえた。いいことだ。
なのに。
「ぜってー返せよ」
「サドって意外といい奴だナ！！」
ほい、とお金を手渡すそーくん。
なんでだろう。そーくんが、クールからぬけだせた筈なのに。
＿＿＿もやもやするのは、なんでだろう。
「恩に着るヨ！じゃ、また明日！」
神楽ちゃんがスキップで去っていくタイミングを見計らって、席に戻る。
もやもやは、消えないまま。
『ナイスだよそーくん』
「お前、見てたの？」
頷く私。そーくんはあっそと言って、伝票を掴む。
「払ってくるから外で待ってろィ」
『…いやいや』
私はお金あるよ？と急いで引き止める。しかも私の方が多く食べてるのだ。そーくんに奢らせるのはおかしい。
気にすんな、とそーくんはいってすたすたとレジに向かってしまう。すごく申し訳ない。
後でお金を払ったほうがいいかな、と思いながら店を出て、ぼーっとしていた。
「ねえねえ、君銀魂高校だよね？一人？」
気づけば見知らぬ少し年上くらいの大人の人達に囲まれていて、あれ？と首を傾げる。
『いや、』
「ちょっと着いてきてくんない？暇でしょ」
「俺らとあそぼーぜ」
「金ならたっぷりあるからさ」
あれ、これってナンパ？ちょっと悪そうな歳上の男の人達は、私の腕を強く掴む。
『え＿＿』
「おい」
お店からでてきたそーくんの声。腕を掴んできた男の人を睨んでいる。
「コイツ、俺の連れなんで。失礼しやす」
ばっと男の人を払って、私を引っ張って歩き出す。なんだ彼氏持ちかよ、という声が後ろで聞こえた。
『ありがとうそーくん』
「お前はもう少し危機意識を持ちやがれィ」
『…そーくん、やっぱり優しいね』
そーくんは唐突に立ち止まる。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 鈴神さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます！これからも鈴神さんにそう思っていただけるよう頑張ります！よろしくお願いします。 (2019年8月24日 13時) (
レス) id: 0de76de774 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こんにちは！突然ごめんなさい(汗 作品読ませて頂いたんですが、一人一人の気持ちがとても丁寧に書かれていて一つ一つの話にすごく惹かれました！！ほんとに素敵なお話ばかりなのでこれからも応援してます！頑張ってください！！ (2019年8月24日 1時) (レス) id: de3968cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくれーぷあいす | 作成日時：2019年8月13日 1時
