ヒ ミ ツ 《沖田総悟》 ページ36
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ヒ ミ ツ
沖田総悟
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沖田side
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『神崎Aです。京都から来まし
た。よろしくおねがいします』
流れるような黒髪ロング、長い睫毛にふちどられた大きな瞳、通った鼻筋に薄い唇。白い肌にすらっとしたモデル体型。
最早、毎週日曜日にやっている某アニメのように変化のない銀魂高校3年Z組にとって、突然の美人転校生は話題をさらうのに充分だった。
「ごっさ美人アルな!」
「ちょ、モデルでもやってんの?」
「うちのクラスにも王道美少女が!」
「いやー、美しいですね。あ、でも私めはもちろんお妙さんの方が美人だと…」
神崎A、京都からの転校生。
どこか神秘的な雰囲気(山崎談)にその美貌。彼女はクラスの中ですでに存在感抜群。おまけにあまり喋らない、というところが神崎の不思議な魅力を後押ししていた。
まあ、女子にあまり関心のない俺にとっては、何だか変わった奴が来たなあ、位の感想しか抱かなかったけど。
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「じゃんけーん、」
ぽん!__パー、パー、グー、グー、パー、パー。
「あ、負けた」
「じゃあ、今日のゴミだしはAちゃんと沖田くんね」
じゃんけんに負けた俺と神崎は、ごみ袋を焼却炉まで出しにいかなくてはならない。面倒だなと思いつつ横にいた男子たちを見たら、非常に悔しそうで。そんなに神崎と一緒に居たいか?
「じゃあこれ持つから、そっち持ってくれィ」
みっつあるごみ袋のうちふたつを俺が持ち上げると、神崎はありがとうと微笑んだ。ますます男子共の視線が刺さる。ちょっと面白くなって笑ってやった。
そのまま二人で焼却炉へと向かう。共通の話題なんてないので、終始無言、になるかと思いきや。
みゃー、という声と共に、一匹の猫が姿をあらわした。
「猫だ」
よちよちと近づいてくる三毛猫。俺は一旦ごみ袋を地面に置いて両手を伸ばした。
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みるくれーぷあいす(プロフ) - 鈴神さん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます!これからも鈴神さんにそう思っていただけるよう頑張ります!よろしくお願いします。 (2019年8月24日 13時) (レス) id: 0de76de774 (このIDを非表示/違反報告)
鈴神(プロフ) - こんにちは!突然ごめんなさい(汗 作品読ませて頂いたんですが、一人一人の気持ちがとても丁寧に書かれていて一つ一つの話にすごく惹かれました!!ほんとに素敵なお話ばかりなのでこれからも応援してます!頑張ってください!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: de3968cf62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくれーぷあいす | 作成日時:2019年8月13日 1時