カミングアウトの関係 ページ9
Aside
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とうとうこの日がやってきた。
いつもよりすこしだけ念入りに髪の毛をセットして、すこしだけ洒落っ気のある着物を着た。
沖田さんとの打ち合わせも、入念に行った。
『よし』
私は《真選組屯所》と書かれた札を見る。
たぶん、ここが一番大事なところだ。
作戦1。
沖田さんと真選組局長、近藤勲さんが話しているところに乗り込む。
沖田さんが、局長さんを縁側につれて行く手筈になっているのだ。
そろーり、そろり、と敷居をまたぐ。
『お邪魔しまーす…』
ここでばれたら侵入者として捕まる。
あたりをキョロキョロ見回しながら、コソコソと進む。
沖田さんからもらった屯所内の見取り図。
2人が居る予定の縁側には赤くマルがつけてある。
ゆっくりゆっくり、静かに歩いた。
少しずつ聞こえてくる、沖田さんと局長さんの喋り声。
「なんだ総悟、大事な話って」
「いや、ちょっと。えーっと、です、ねィ…」
うんうん。いい感じ、予定通りだ。
この角を曲がれば、2人のいるところ。
私は見取り図をポケットにねじ込み、息を思いっきり吸う。
「実は…」
『じつはっ、私は、おき、総悟さんと結婚したいんです!!』
「ご、ごぎゃあぉぉぁぉぉぉ!」
沖田さんが話し始めたタイミングで、ドダダっと飛び出し大声を出す。
それに負けないくらいの大声でおかしな悲鳴を上げた局長さん。
『…だ、大丈夫ですか?』
「こ、近藤さん?」
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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年7月2日 21時