一目惚れの関係 ページ8
Aside
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「俺、生まれてこの方一目惚れなんてしたことないんですよねィ」
どちらかといえばされる方なんだろうな。
大層なイケメンですもの。
『なおさらいいじゃないですか。まさかあいつが一目惚れするなんて、みたいな感じでリアリティーでますよ』
「まぁ、そうですねィ。良さげかも」
じゃ、一目惚れってことで。
淡々と話し続ける彼の性格が、すこしだけ分かってきた。
さっきはかなり混乱してたけど、やっぱりこの人は真選組だ。
かなり観察されている気がするし、腰に差している刀のちょうどいい具合の使用感が真選組感を醸し出している。
『沖田さんが一目惚れして、私に猛アタック!というわけですか』
「モウアタック…」
うーん、と2人で考え込む。
なんだろう、猛アタック、違う気もする。
「んじゃあ、間をとって、俺が一目惚れして声をかけたけど、だんだんAさんの方が猛アタックしかけてくるとか」
『あ、それ、いいですね』
私の苗字を呼ばない彼の心遣いに感謝する。
「で、交際何ヶ月?何年?にしやしょうか」
『あんまり長いと、不自然だし、短すぎても不自然だし…』
「半年とか?」
『8ヶ月?』
「あ、8ヶ月くらいでいいんじゃないですかねィ」
飲み物を飲みながら、彼との思い出を捏造していく。
まるで過去を変え、やり直しているような気分になった。
契約。結構、面白いかも、しれない。
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作者名:みるくれーぷあいす | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時:2019年7月2日 21時