悩み中の関係 ページ6
沖田side
·
「総悟、今日も…」
「またですかィ、近藤さん…」
山のように積み重なった写真を、近藤さんが俺に手渡してきた。
お見合い、縁談。その相手の写真たち。そいつらを何とか全部机の上に載っけると、近藤さんは立ち去った。
松平のヤロー、俺の事言いふらしてやがるな。
本当に困るんですけどねィ、とため息をつく。
俺は多分一生、結婚しない、と、思う。
つーか、なんで俺がお見合いなんてしなきゃいけないんだよ。
最初のうちは幕府の目もあって、実際にお見合いを行って丁重に断わっていたが、最近はそれも面倒になってきて、もう書状で断りを入れている。
「あーーーめんどくせェ！！！」
しかも現将軍、徳川茂々からも時々縁談の話が回ってくるのだ。さすがに断りきれない。
「はあ………」
松平によると、真選組の俺が結婚したいだなんて思わないことは分かっているが、その面を生かさないのは勿体ない、だそうだ。
《お前の本当の恋人でもいない限り、お見合いを持ち込み続けてやるよォォ》
酔いながら言われた、あの一言。
「あー、マジでどうしよう」
縁談を上手く断り、一生持ち込まれない方法。
何かないだろうか…
ん？
『お前の本当の恋人でもいない限り』？
恋人、いや、いっそ婚約者でもいれば、いいんじゃないか！？
でも婚約者なんていない。
＿＿＿＿いないなら作ればいい！
きっと、この縁談の多さとそのストレスに、頭がおかしくなっていたのだろう。
だからすぐ街に出かけて、たまたますれ違った女に声をかけてしまったのだ。
「俺と、契約結婚してくれやせんか？」
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年7月2日 21時
