兄弟の関係 ページ38
Aside
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「それはよかった！相互はああ見えて奥手でな、ちゃんと自分のことを伝えられてるか心配だったんだ」
へえ、奥手なんだ。またまた私の知らない沖田さんが垣間見える。
『ソーゴサンはすごく優しいですよ』
優しい、かどうかが本当かは分かんないけど、近藤さんを心配させない為にも告げておく。
「そうかそうか。順調で何よりだな」
『…あの、おき、ソーゴサンに元カノがいないってホントですか』
ずっと気になっていたことなんだけど、聞く相手がいなかった。本人はそう言ってたけど、あの顔で元カノがいないっていうのも不自然な気がする。
「ああ、本当だと思うぞ。今まで総悟は色恋沙汰に全然興味がなかったからな」
ちょっとは俺を見習って欲しいと思ってたくらいにな！と近藤さんは豪快だ。でも近藤さんを見習ったらストーカーになっちゃうけど。
「だから、Aちゃんにはすごい本気なんじゃないかな」
『本気、ですか』
沖田さんが本気になる相手が本当に居るとすれば、どんな人なんだろうか。超美人とか？やまとなでしことか？
「だからさ。俺からAちゃんに言うのもアレなんだけど＿＿」
総悟を、ずっと好きでいてくれよ、と近藤さんは言った。
その言葉のあまりのまっすぐさに、私は何を言っていいかわからなくなる。ごめんなさい、嘘なんです、とも思う。でもそれ以上に、近藤さんの本心がまっすぐすぎて、ああ、と納得する。
『…なんか、兄弟みたいですね、近藤さんと真選組』
「きょうだい？」
あまり関わりのない私から見てもだいぶお元気な隊士さんたちを取りまとめることができるのは、近藤さんだからだ。きっと、心から真選組を大事に思っているんだろうな。
『はい』
「あはは、そんな綺麗なもんじゃないけどな」
マンションの下まで辿り着く。
私は改めて近藤さんにお礼を言った。
『ありがとうございました、わざわざすみません』
「いやいや、じゃあな、総悟によろしく」
この後屯所で会うだろうに、近藤さんはわざわざ私にそう言って去っていった。
ストーカー癖さえなければきっとすごくいい人なのになあ。
あ、プレゼントのこと聞くの忘れた。
しまった、せっかくお妙さんも近藤さんもいたのに。自分で考えなきゃだ。うーん、こんどの作戦の時にちょっとお店を見てみようか。
奥手にドS、打たれ弱くて優しい(仮)。
沖田さんがどんな人かに興味が湧いているのが自分でもわかって。
ちょっと作戦＿＿デートが楽しみになった。
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作者名：みるくれーぷあいす | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ykoma1218/
作成日時：2019年7月2日 21時
